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- 投資をしている
- 副業をしている

投資と副業のために、「簿記」を勉強しようと思っているんですけど、そもそも簿記って何ですか?家計簿と何が違うんですか?

簿記は会計学の一つのことだよ。ちなみに、「会計」っていうと何を連想する?

レジで「お金を支払うこと」です。

日常生活ではそうだね。でも、学問の世界では「企業内の帳簿に関する学問」という定義になるよ。
日常生活とは違う「会計学」とは?
一般的に会計というと、レジなどで「お金を支払う」ときに「お会計」という言葉使います。
しかし、一般家庭ではなく企業や商店を対象としている会計学は、「お金を支払う」こと以外にも会計行為を行います。
会計学での会計行為とは?
会計行為には、以下の3つの行為があります。
- 帳簿を記入する
- 帳簿を管理する
- 帳簿を公開する
帳簿を記入する
会社では、日々の業務で行われる「仕入れ」や「販売」、「生産」などの企業活動を帳簿につける必要があります。
帳簿をつけておかないと「どれぐらいお金を使って、どれくらい儲かっているのか」ということがわからなくなります。
そのため、企業活動をおこなうために帳簿をつけるのは、企業の義務となっています。
ちなみに、簿記ということは「帳簿記入」という言葉を略して生まれた言葉です。
帳簿を管理する
帳簿に記入された企業活動の数値は、まず適切な経営活動が行われているかを判断するために、管理会計として会社内向けに作成・管理する必要があります。
管理会計を毎月もしくは年度毎に行うことで、会社の経営状態を明らかにすることができます。
そうすることで、次の目標や中長期的な成長戦略、必要な設備投資などの計画を立てやすくなります。
情報を公開する
帳簿は財務会計として会計ルールに沿って作成する必要があります。
また、作成した書類を公開することで、自社の経営状態を企業外部の利害関係者(銀行や税務署、株主)に明らかにします。
投資家であれば、決算書などに記入されている財務会計を見て、投資判断を行います。
債権者であれば、財務会計を見て、融資に対する判断を行います。

会計学というだけあって、家計簿とは全く違いますね。

そもそも家計簿と簿記では、記入の仕方も違うよ。
会計簿と簿記の違い
一般的に会計簿は「単式簿記」で記入し、簿記は「複式簿記」で記入します。
単式簿記と複式簿記の違いは、1回の取引で使う項目が「1つ」か「複数」かの違いです。
単式簿記(例)
日付 | 項目 | 摘要 | 入出金 |
---|---|---|---|
12月1日 | 支出 | 携帯代 | -2,980 |
12月8日 | 支出 | 食費 | -5,000 |
12月25日 | 収益 | 給与 | 300,000 |
12月28日 | 支出 | 家賃支払 | -80,000 |
複式簿記(例)
日付 | 勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 |
---|---|---|---|---|
12月1日 | 通信費 | 2,980 | 普通預金 | 2,980 |
12月8日 | 食料費 | 5,000 | 普通預金 | 5,000 |
12月25日 | 普通預金 | 200,000 | 売上高 | 200,000 |
12月28日 | 支払家賃 | 80,000 | 普通預金 | 80,000 |
複式簿記では、帳簿の勘定科目(帳簿に記入する項目)を左と右にわけて記入します。
このとき、左側の入金(資産)に関する仕訳を「借方」と呼び、右側の出金(負債)に関する仕訳を「貸方」と呼びます。
借方と貸方の覚え方
「かりかた」の「り」の字が左を向いているので、「左は借方」。
「かしかた」の「し」の字が右を向いているので、「右は貸方」。

借方とか貸方って、何をどっちに入れたらいいかよくわからないんですよね。

勘定科目の項目には決まりがあって、まずはそれを覚えて、意識しながら仕分けをするとどっちに何を入れるかを自然と覚えられるよ。
勘定科目は5種類
複式簿記で記入する勘定科目には、5つの種類があります。
- 資産
- 負債
- 純資産
- 費用
- 収益
これらの項目は決算書に必要な貸借対照表(バランスシート)と損益計算書に連動しています。
貸借対照表は企業の財務状態を知るための書類であるため、資産・負債・純資産を記載します。
一方、損益計算書には売り上げに対する費用を記載するため、費用と収益を記載します。
これらの勘定科目は、簿記の世界では覚えないといけない言葉なので、サクっと覚えてしまいましょう。
資産資産とは、将来的に会社の収益になると見込まれている経済的価値です。
財産や権利など、会社が持っていると将来的にプラスになるものを資産と言います。
資産に分類される主な勘定科目
- 現金
- 普通預金
- 定期預金
- 当座預金
- 現金過不足
- 売掛金
- 受取手形
- 貸倒引当金
- 立替金
- 未収入金
- 建物
- 土地
- 車両運搬具
- 機械装置
- 無形資産
- 出資金
- 長期貸付金
- 開業費
負債資産とは反対に、会社が持っているとマイナスになるものを負債と言います。
負債には、買掛金や借入金などがあり、その返済には義務があります。
負債に分類される主な勘定科目
- 買掛金
- 支払手形
- 未払金
- 預り金
- 借入金
純資産純資産は資本金など事業の元手となる資金で、資産から負債を引いた金額が純資産となります。
純資産に分類される主な勘定科目
- 資本金
- 資本準備金
- 資本剰余金
- 事業主貸/事業主借
- 元入金
収益事業による売上高や収入のことを収益と言います。
収益に分類される主な勘定科目
- 売上
- 受取利息
- 受取配当金
- 有価証券評価益/有価証券評価損
- 雑収入
費用一般的には事業活動に対して使った経費や支出を費用と言います。
費用に分類される主な勘定科目
- 仕入高
- 期首商品棚卸高/期末商品棚卸高
- 給料手当
- 役員報酬
- 外注費
- 交際費
- 会議費
- 水道光熱費
- 広告宣伝費
- 事務用品費
- 支払家賃
- 通信費

いっぱいありすぎて、覚えきれません!

資格試験には出題傾向があるし、一般の会計処理をするときも大体つかう勘定科目は決まっているから、全部を覚える必要はないよ。
まとめ
資格の王様「簿記」について解説をしました。
企業活動を明確にする簿記は、起業、副業に限らず投資における判断をするのにも役立つ知識です。
簿記で考えることは主に3つ。
- どの勘定科目を使うのか?
- 5つの勘定科目のどれに分類されるのか?
- それは増えるものなのか?減るものなのか?
これら3つを同時に考えて処理をするのが、簿記です。慣れれば自然と頭の中で仕訳できるようになります。普段の買い物を単式簿記ではなく、複式簿記で行うなど工夫して慣れるところから始めてみましょう。