

個人投資家の「困った!」を解決する公認会計士 足立武志 著「株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書」を独自の解釈でサラッと解説します。
こんな人におすすめ
- 四季報や決算書を読めるようになりたい
- 割安株を見つけたい
- 倒産リスクを知りたい
本書はこんな感じの内容です。
- 会社四季報で大まかな概略を知る
- 決算短信で細かくチェックする
- 資産と負債、儲けのバランスを見る
- PERとPBRで割安株を見つける

本当に教科書って感じの内容だね。

まぁな。お金儲けがしたければ学ぶしかない。
会社の株に投資をしてお金が儲けをしたい場合、多くは株価の安いときに買って高いときに売るのが鉄則です。
でも、その株価が安いのか、高いのか?
なぜその値段なのか?
そんなことも知らずに、多くの人が株の売買をしています。
だから、株で失敗して借金を作ったり、無駄に株は怖いと思い投資をしない人がいます。
これまでも解説したように、ボクたちがお金持ちになるためには投資は必須の条件です。
この記事では投資で大失敗したくない人に向けて、株を買う前に最低限知っておくべき会社の指標「ファンダメンタル分析」について解説をします。
会社の指標がわかれば、株の売り時と買い時がわかるようになります。
では、解説をします。
会社四季報で会社の概略を調べる
1つ目のポイントは、「会社四季報で会社の概略を調べる」です。

会社四季報って、就職するときに使う分厚い本だよね。

そうだ。四半期ごとに上場企業の業績をまとめた情報誌だ。
日本には約4,000社ほどの企業が、株式市場に上場しています。
株を買う前に、まず何をしないといけないのか?というと、これら4,000社の中からこれから業績が伸びて、株価の上がる株を見つけなければいけません。
そのときに参考とするのが、「会社四季報」と「決算短信」、そして「有価証券報告書」です。
会社四季報とは?
会社四季報は季節ごとに年4回、上場会社の基本情報や株価データ、業績などをまとめて刊行されています。そのため、前期や複数年の業績を比べることで、会社の成長力や投資価値が見えてくるといわれています。
会社四季報は、日本の上場企業が丸ごと掲載されているため、上場企業すべての業績を大まかに知りたい人に向いています。
決算短信で細かくチェックする
2つ目ポイントは、「決算短信で細かくチェックする」です。

聞いたことのない難しそうな単語が出てきたね。

だろうな。簿記を習っていない人には難しそうに聞こえるかもしれない。でも、ファンダメンタルで一番大事な指標が載っているので注意してみてほしい。
決算短信とは、企業の決算発表の内容をまとめた「決算レポート」です。
株式を証券取引所に上場している企業は、取引所の適時開示ルールに則り決算発表から45日以内に決算速報を出さなければいけません。
そのため、決算短信は先述の会社四季報より早い時期に公開されます。
さらに決算発表から3ヶ月以内に発表されるのが、有価証券報告書です。
そのため有価証券報告書は、どうしてこういう業績にいたったのか?といった詳細な内容が記載されています。
会社四季報と決算短信を組み合わせて分析する
株の売買よるキャピタルゲイン(売買益)を最大にして儲けを大きくするには、これから伸びそうな割安株をできるだけ早く見つけて、株価の上がる前に株を購入する必要があります。
有価証券報告書は決算後3ヶ月後も経過したのちに発表される指標であるため、発表時にはすでに株価に織り込まれています。
そのため、株価や業績の良し悪しなどの情報は会社四季報と決算短信のみでよく、有価証券報告書までをチェックする必要はありません。
会社四季報と決算短信を読めるようになってから、余裕のあるときにチェックするぐらいで大丈夫です。
会社の業績を調べるには、会社四季報より決算短信の方が早く発表されるため、先に目星をつけた企業の決算短信から確認を行い、会社四季報で上場企業全体の概略を調べましょう。
資産と負債、儲けのバランスを見る
3つ目のポイントは、「資産と負債、儲けのバランスを見る」です。

会社四季報と決算短信で見るべきポイントは、「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3つだ。
貸借対照表で財務状況を知る
貸借対照表は、英語で「バランスシート」と呼ばれ、会社が保有している資産と借金(負債)の比率を表しています。
会社四季報で見るべき財務情報は、以下の4点です。
- 自己資本比率
- 有利子負債
- 営業キャッシュフロー
- 利益剰余金
それぞれ簡単に説明すると、
自己資本比率は、借金以外のお金の割合です。
会社を運営するには意外とお金がかかるため、ボクたちが思っている以上に借金を背負っています。
自己資本比率は借金=返さなくてもいいお金がどれくらいあるのかを示しています。
目安としては、50%以上だと安心で20%を切ると倒産のリスクがあるため注意が必要です。
有利子負債は、利子のある借金のことです。
一年以内に返さないといけないお金と一年以内に持っているお金の比率のことで、借金比率を表しています。
営業キャッシュフローは、本業で稼いでいるお金です。
この金額はプラスであってほしいところですが、たまに金額の横に「▲」の印がついている時があると思います。
この黒もしくは白の▲マークはどちらもマイナスを示しています。
三角マークを見つけたときは、それがどの指標に対するマイナスなのかをチェックしましょう。
ちなみに、投資キャッシュフローは設備投資などに使われるお金の流れを示しているため、マイナスでも問題ありません。
財務キャッシュフローは、借金を返すとマイナスになるためこちらも問題ありません。
最後に紹介する利益剰余金は、過去の利益が積み上がったお金です。
総資産が30%を超えると安心と言われています。
大失敗を回避するために知っておくべき指標
株式投資や就職をするときに見ておくといい会社四季報は、以下の3つに注目することで失敗を回避することもできます。
- 債務超過
- 連続赤字
- 継続前提に重要事象
債務超過は、自己資本がマイナスになっている状態を表しています。
連続赤字は、売上より費用の方が大きいことを表しており、3年以上赤字を計上している企業は危険です。
継続前提に重要事象は、倒産するかもしれない重要な事象が発生したことをお知らせしています。
リスク情報に掲載されているときは黄色信号ですが、財務諸表の後ろに掲載されているとき赤信号なので、良い噂を聞かない企業は会社四季報や決算短信をよくみてみましょう。
PERとPBRで割安株を見つける
4つ目のポイントは、「PERとPBRで割安株を見つける」です。

また聞いたことない単語が出てきた!

言葉を覚えなければ、お金儲けはできないぞ。あきらめろ。
PERとは?
PERを日本語に置き換えると「株価収益率」といい、1株あたりの当期純利益のことを指しています。
といっても何のことを言っているかわからないと思うので、簡単に説明します。
PERが表しているのは、「株価」と「収益」の関係で、収益に対する株価の割合を表しています。
つまり、購入したときの株価を利益何年分でとりも返せるのか?ということを表しています。
たとえば、PERが10倍というのは10年かけて株価を取り返せることを意味しています。
株価が1万円と高くてもPERが10倍と低ければ、株価の割に収益率が高い判断でき、その株価は割安だと判断できます。
反対に株価が2,000円で安くてもPERが100倍と高ければ、収益がないと考えられ、その株は割高と判断できるようになります。
ただし、GAFAMに代表される成長株は事業に投資している割合が多いためPERが高くなりがちになるため、PERだけで割安株かどうかを判断するのは危険です。
PBRとは?
PBRとは、株価と資本の関係を表している指標です。
PBRは会社が解散したときに受け取れる純資産分を表しており、1倍を割ると割安と言われています。
つまり、解散時期に10ある資産に対して、9の金額で変えた方が割安だということです。
ここで紹介した指標以外にも割安株を判断できる指標や良い会社・悪い会社の判断材料はたくさんあるので、株に投資する前に株の価値を判断できるようになっておきましょう。
まとめ
- 会社四季報で大まかな概略を知る
- 決算短信で細かくチェックする
- 資産と負債、儲けのバランスを見る
- PERとPBRで割安株を見つける