減価償却とは?帳簿上の資産価値を減らしていく!【減価償却の基礎】

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  1. 減価償却がわからない
  2. 減価償却の計上の仕方を理解したい
  3. 決算整理仕訳について知りたい
アシのMちゃんアシのMちゃん

減価償却・・・この辺りのことが分からなくて、簿記が嫌いになっちゃうんですよ。

ほどよしほどよし

減価償却は現金とか目に見える資産を減らすわけじゃないから、実感としてわかりづらいよね。

アシのMちゃんアシのMちゃん

そうなんです。「なんとなくそんなもんなんだぁ」ぐらいの理解しかしていないから、少し話が難しくなると途端にどうしていいかわからなくなるんですよ。

ほどよしほどよし

それじゃあ、しっかり理解できるように基礎を振り返ってみよう。


固定資産の購入費用を使用期間にわたって費用計上する減価償却。

勘定科目の「資産」を「費用」に置き換えることで、資産の価値を減らしていく作業ですが、「そもそも何故こんなことをするのか?」とよく分からない人も多いと思います。

そこで今回は、資産価値を減らしていく減価償却の基礎を簡単な具体例をとともに解説をします。

減価償却って何?

減価償却は、固定資産を分割して費用計上する会計処理のことです。

固定資産とは、土地や建物、備品(PCや机など)、設備、機械装置といった長期間(1年以上)にわたり使用可能なモノを「資産」に分類する勘定科目です。

固定資産によく似た勘定科目に鉛筆や消しゴムといった事務要員などが該当する「消耗品費」があります。

消耗品費は資産としての価値がほぼないため、「費用」に分類される勘定科目です。

アシのMちゃんアシのMちゃん

消耗品費と固定資産の仕訳は、何となく感覚でやってますけど。そんな感じでいいですか?

ほどよしほどよし

消耗品費は10万円未満や1年未満になくなるモノといった目安があるけど、企業内で決まりごとなければ何となくでいいと思うよ。

なぜ減価償却をするのか?

固定資産を消耗品費のように「費用」として計上しない理由は2つあります。

  • 固定資産の価値は経年劣化する
  • 固定資産を費用にすると利益が小さくなる=毎年の損益に影響がある

固定資産の価値は経年劣化する

国がその価値を保証している現金などの資産は、年数によって基本的にその価値を変えません。

いまの10万円は5年後もおなじ10万円の価値があります。

※インフレやデフレなどの経済的価値の変動はないものとしています。

しかし、10万円で購入したパソコンに5年後もおなじ10万円の価値があるかというと、そういうわけでもありません

5年間使用し続けたパソコンは経年劣化し、また新製品の発売などにより価格や性能でも10万円の価値はないものと予想されます。

こうした年月の経過による「いまの価値より目減りする資産を帳簿上価値があり続ける資産としてそのままにしておくのはおかしい」という理由から、固定資産は使用期間にわたって「資産」から「費用」へ決算時に改めて仕訳をします。

利益と損益に影響がある

固定資産を費用として扱わないもう一つの理由は、設備投資など大きな金額を動かしたときにその年の利益や損益に影響があるためです。

例えば、工場建設に10億円の設備投資をしたとして、これを「費用」に計上したとします。

当期純利益は収益から費用を差し引いた額であるため、それまで黒字経営をしていたとしても赤字決算になる可能性が高くなります。

大きな赤字を申告した場合、銀行から融資を打ち切られる可能性もあります。

こうした事態をさけるため、大きな金額が動く投資は「費用」ではなく「資産」として計上します。

アシのMちゃんアシのMちゃん

資産って一言でいっても色々あるんですね。

減価償却の仕訳

例題1-1.

2020年4月1日、現金50万円でパソコンを購入した

(借)備品500,000(貸)現金500,000

例題1-2.

現金50万円で購入したパソコンを5年使用すると、5年後の価値は0円になると見積もった

2021年3月31日が終了し、決算となったので決算整理仕訳をする

※取得金額50万円、耐用年数5年、残存価値0円

(借)減価償却費100,000(貸)備品減価償却累計額100,000

簿記3球試験では、毎年減少する額を一定のものとする「定額法」が出題範囲となっています。

2級になると、一定の金額ではない「定率法」を学びます。

アシのMちゃんアシのMちゃん

見積もった価値の分だけ、帳簿上の金額を5年かけて10万円ずつ減らしていくんですね。

ほどよしほどよし

ちなみに、勘定科目の「備品減価償却累計額」は負債のように見えるけど「マイナスの資産」に分類されるよ。

例題1-3.

パソコンを5年使用した後の価値を5万円と見積もった。

2021年3月31日が終了し、決算となったので決算整理仕訳をする

※取得金額50万円、耐用年数5年、残存価値5万円

(借)減価償却費90,000(貸)備品減価償却累計額90,000

ほどよしほどよし

固定資産には最終的に0円にならない資産もある。そうした場合は、初めから残存する価値を引いた額を毎年減らしていくよ。

固定資産を売却した時の減価償却の仕訳

例題2−1.

2020年4月1日、7,000万円の建物をかけで購入した

(借)建物70,000,000(貸)未払金70,000,000

例題2−2.

耐用年数10年。残存価値1,000万円と見積もり、2021年3月31日が終了した

(借)減価償却費6,000,000(貸)建物減価償却累計額6,000,000

例題2−3.

2023年4月1日に建物を5,500万円で売却した

(借)建物減価償却累計額18,000,000(貸)建物70,000,000

(借)未収入金52,000,000     (貸)固定資産売却益3,000,000

固定資産は売却したときに資産から減らすため、まず資産の建物7,000万円を「貸方」に仕訳し、続けてマイナスの資産である減価償却累計額1,200万円(3年分)を「借方」に仕訳します。

これで帳簿上から資産5,200万円がなくなりました。

最後に、5,200万円の資産を5,500万円で売却したため、利益は300万円となります。

アシのMちゃんアシのMちゃん

一瞬迷いそうですけど、1つ1つ丁寧に見ていけば、仕訳の内容もよくわかりますね。

ほどよしほどよし

この辺りはまだ基礎だから、分からなければ参考書や他のサイトでわかるまで復讐してね。

期中の減価償却は?

ここまでは期首に固定資産を購入したときの仕分けについて解説をしてきました。

しかし、通常は期中に何かしらの資産を購入する機会が多いと思います。

そうした場合の仕分についても見ていきます。

期中の減価償却の仕訳

例題3−1.

2020年11月1日、7,000万円の建物をかけで購入した

(借)建物70,000,000(貸)未払金70,000,000

例題3−2.

耐用年数10年。残存価値1,000万円と見積もり、2021年3月31日が終了した

(借)減価償却費1,200,000(貸)建物減価償却累計額1,200,000

例題2では期首の4月1日に購入したため、1年分600万円を減価償却しました。

今回の例題3では期中の11月に購入したため、5ヶ月分120万円を減価償却します。

例題3−3.

2023年6月30日に建物を5,500万円で売却した

(借)建物減価償却累計額132,00,000(貸)建物70,000,000
(借)減価償却費360,000
(借)未収入金55,000,000
(借)固定資産売却損1,440,000

ここでの論点は、期中の売却売却損の計上です。

期中の6月で売却したため、3ヶ月分の減価償却費を計上します。

先程は売却益としましたが、売却したときに損益が発生した場合は、「固定資産売却損」という勘定科目を借方に計上します。

アシのMちゃんアシのMちゃん

期中の処理になるとグッと難しくなりますね。

ほどよしほどよし

処理が増えるだけだけど、迷わないように一つ一つの処理を見ていこうね。

まとめ

減価償却の基礎について解説をしました。

減価償却は現金と異なり、経年で劣化する固定資産を費用に振り替える重要な仕訳の一つです。

しかし、目に見えないモノの価値を金額(数字)で減少させていくため、いまいち理解のしにくい勘定科目でもあります。

数多く仕訳を経験することで社会的に価値のあるもの、ないものなど理解を深めていくことで、何となく理解できていくため、過去の問題集や日頃の業務で少しずつ仕訳に慣れていきましょう。