剰余金の配当とは?株主に配当を渡す流れと仕訳の方法!【簿記3級】
アシのMちゃんアシのMちゃん

もらうと嬉しい配当金!でも、仕訳はどうやって処理するの?


こんな人のための記事です。

株をしているとたまにもらえる配当金は、支払うよりも受け取る機会の方が多い投資家にとってうれしい収益です。

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投資家にとって収益になるなら、会社では費用になるの?

と思うかもしれませんが、そういうわけではありません。

今回の記事では、

  • 投資家と会社の関係
  • 会社が配当を出す流れ
  • 配当金の仕訳

について、解説をします。

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簿記3級試験に合格するために、仕訳方法だけ知りたい人は「配当金の仕訳例」だけを見てください。

配当金の仕訳は非常に簡単ですが、簿記だけでなく株式投資にも興味のある人は、この機会に配当金が出る流れを理解しておきましょう。

株式会社は誰のもの?

株式会社の実質的な保有者(オーナー)は株主です。

株主とは、株式会社に出資をした人。

つまり、株式会社が発行した株式を購入した投資家のことです。

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会社って社長のものじゃないの?

と思いがちですが、法律的にも株主のものとなっています。

投資をしていない人にはピンと来ない話ですが、そういう決まりごとです。

株式会社の組織構造

会社組織のヒエラルキーは一般的にヒラ社員から始まり、課長以上の管理職に出世すると企業側の立場に立って、現場を管理することになります。

「企業側の立場に立つ」を簡単に説明すると「残業しても残業代を出さなくてもいいよ」という、立場になることです。

そういった管理職の上役に、取締役や監査役といった役員がいます。

ちなみに、上場企業やある一定以上の企業は「会計監査人」という、監査法人や公認会計士にしかなれない機関を会社に置く必要があります。

こういった会社ヒエラルキーの頂点に君臨するのが、「株主総会」です。

株式会社の最高意思決定機関とされており、株主を構成員として株式会社の基本的な方針や重要な事項を決定します。

株主総会では何を決めるの?

3月31日が終了してから始まる決算では、株主総会を5月下旬、もしくは6月下旬に開催します。

この株主総会では、おおよそ以下のような事柄を決定します。

  • 決算の承認
  • 他者との合弁の是非
  • 役員の人事
  • 配当金の支払い・・・などなど

これら全てを株主総会で決めるわけではありませんが、簿記の世界ではこういう決まりになっています。

今回の記事では、一番最後の「配当金の支払い」について解説を続けます。

配当金とは?

配当金は会社の業績が良ければ、会社の決議によって出される「繰越利益剰余金」を原資としたお金です。

剰余金には、繰越利益剰余金と資本剰余金の2通りありますが、この記事では繰越利益剰余金をベースに解説します。

繰越利益剰余金とは?

繰越利益剰余金は、会社の利益を累積した「純資産」に分類される勘定科目の1つです。

純資産には姿形がないため、投資家に分配される配当金は現金の代わりとなる「配当金領収書(通貨代用証券)」を配ります。

なお、配当金を銀行振り込みで対応するところもあります。

剰余金の簡単な仕訳

株主総会で繰越利益剰余金500万円について、以下のことが決議された
配当金は100万円とした

(借)繰越利益剰余金1,000,000(貸)配当未払金1,000,000

会社法の観点から仕訳を見ると、繰越利益剰余金を配当したように見えますが、簿記的な観点から仕訳すると「現金を減らしたので繰越利益を減らす」となります。

「儲かったので余った利益を投資家のみなさんに配ります!」というノリではない、ということです。

配当金が出る流れ

配当金は以下のような流れで、投資家に分配されます。

  1. 株式会社が増資のため株式を発行
  2. 投資家がこの株式を購入する → 株主になる
  3. 出資額を元手に商売を拡大する → 利益が増える
  4. 株主に配当を出す決議をする
  5. 支払う配当金にかかる税金をあらかじめ差し引く
  6. 税金が差し引かれた分の配当金が株主に渡される
  7. 後日、預かった税金を税務署に納付する
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配当金は所得となるため、20%の税金がかかります

そのため株主に配当金を分載する際は、社員の給与と同じく天引きした配当金を投資家に分配します。

配当金(繰越利益剰余金)の仕訳

例題1−1.

株主総会で繰越利益剰余金1,000万円について次のように決議された
配当金は800万円とした

(借)繰越利益剰余金8,000,000(貸)未払配当金8,000,000

例題1−2.

利益準備金を50万円積み立てる決議もされた

(借)繰越利益剰余金500,000(貸)利益準備金500,000

利益準備金とは、繰越利益剰余金のうち、会社法によって積み立てることが義務付けられているお金を指します。

利益準備金は繰越利益剰余金と同じく「純資産」に分類される勘定科目であるため、上記の仕訳は勘定科目名の変更のみをしたことになります。

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法律的には意味のある処理ですが、簿記の観点では単なる勘定科目の変更でしかありません。

例題1−3.

後日、配当800万円のうち20%を源泉徴収し、当座預金から支払った

(借)未払配当金8,000,000(貸)預り金16,000,000
             (貸)当座預金6,400,000

配当金には住民税や所得税がかかります。

会社側が配当金を支払うときは、税金分を差し引いて支払いをします。

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預り金は後日まとめて税務署に納付します。

まとめ

配当金(繰越剰余金)の仕訳について解説をしました。

配当金は株式会社に出資している株主に分配される「繰越利益剰余金」を原資とした現金です。

会社で配当金を出す決議ができると、株主総会の決定を経て、株主に配当金領収書が渡されます。

この配当金の仕訳では、支払うことで現金が減るため、繰越利益剰余金も資産から減らすといった処理をします。

なので、繰越利益剰余金を株主に渡すという意味ではありません。

また、配当金には住民税や所得税といった税金がかかるため、仕訳をする際はあらかじめ税金分を差し引く処理をする必要があります。

簿記3級の試験を受けるときなどは、問題文をよく読み仕訳をし忘れないように注意しましょう。