
こんな人におすすめ記事
- 簿記3級試験の合格を目指している
- 保証金の仕訳を知りたい
- 敷金の仕訳が分からない

敷金と礼金の違いがよく分からないんですけど、違いってあるんですか?

一言で説明すると「原則返ってくるお金が敷金」で「返ってこないお金が礼金」だよ。

礼金って返ってこないんですか?

貸主に対するお礼だから返ってこないよ。

ガーン!知らなかった!!!
差入保証金とは?
差入保証金は、2019年6月より日商簿記検定3級の出題範囲に加えられた勘定科目です。
あまり頻繁に仕訳する機会のない保証金ですが、一体どういったものであるのか3級試験の出題範囲を中心に解説します。
日商簿記3級試験の差入保証金では、「敷金」についての勘定科目の仕訳が出題されます。
敷金とは、一般的に家や事務所を借りるときに「基本的に将来返却されるお金」として差し入れます。
そのため貸借対照表の分類では、差入保証金を「資産」として分類します。

一時的に預けているお金として認識すればいいですね。
差入保証金の仕訳
例題1-1.
事務所の賃借にあたり、1ヶ月分の家賃10万円と仲介手数料5万円、敷金20万円を当座預金から支払った
(借)支払家賃100,000(貸)当座預金350,000
(借)仲介手数料50,000
(借)差入保証金200,000
例題1-2.
事務所の賃貸契約を解約し、賃貸金額当座預金に全額返金された
(借)当座預金200,000(貸)差入保証金200,000

仲介手数料は「費用」に分類されるので、借方(左)に仕訳するよ。
差入保証金の具体例
基本的に返金されることを目的に差し入れる保証金は、一般的にあまり馴染みがないため、具体的な例を以下に記します。
敷金
日商簿記3級試験の出題範囲でもある敷金は、私たちの生活の中で一番身近な保証金です。
敷金とは、家賃などの担保として預けておく保証金です。
退去する際に原則として全額返金されることを目的に差し入れるお金で、もし家屋に損害などがある場合は、修繕費を差し引いた額が返金されることもあります。
権利金
権利金とは、借地契約の際に、借地権を設定する対価として借主から貸主に交付するお金です。
権利金として支払ったお金は、原則として契約終了時にも返還されません。
契約終了時に返金されないという意味では「礼金」と同じような性質を持っています。
しかし、礼金が「貸主に対するお礼」であるのに対し、権利金は「借地権を設定する対価」であるため、そのニュアンスは微妙に異なります。
日商簿記3級試験の範囲外であるため、ここでは詳しい説明は省きます。
建設協力金
建設協力金とは、すでに賃貸契約を結んでいる借主が、貸主に対し建物の建設資金に充当するために、建設資金を預託保証金として差し入れるお金です。
建設協力金は建物感情後に賃貸契約がスタートすると、契約時に定めた期日に返却されます。
ゴルフ会員権の保証金
いまでは少なくなったゴルフ会員権には、預託金制度というものがあります。
預託金制のゴルフ場では、ゴルフ場建設の際に募集した新規会員に向けて、ゴルフ場に一定の金額を預けることでゴルフ場の会員となることを保証します。
預託金はゴルフ場建設後に所定の期間を経て返還されるため、差入保証金として処理をすることができます。

いろんな保証金があるんですね。

一例として紹介したけど、あまり覚える必要はないかな。
まとめ
簿記会計における保証金について解説をしました。
一般の生活ではあまり馴染みの少ない保証金ですが、敷金の仕訳が日商簿記3級試験の出題範囲に加えられました。
簿記会計の敷金は、原則返還されることを前提として仕訳を行うため、勘定科目を資産として処理します。
試験を受ける際に迷うことがないように、直近の過去問で復習しつつ、仕訳になれていきましょう。