純資産とは?資産から負債を引いた自己資本!【簿記3級レベル】

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  1. 日商簿記3級試験の合格を目指している
  2. 簿記会計の純資産について知りたい
  3. 純資産の仕訳の仕方を知りたい
アシのMちゃんアシのMちゃん

簿記会計の「純資産」ってイメージがつきにくいですよね。

ほどよしほどよし

債券でもなければ、債務でもないからね。会計理論より法的な理論に則っているから、会計的に理解しようとするのは難しいよね。

アシのMちゃんアシのMちゃん

純資産はそういうものとして覚えるしかないですか?

ほどよしほどよし

うん。そうだね。ほかには3級試験の舞台は株式会社になっているから、会社というものを理解することでイメージがつかみやすくなるかもしれないよ。

簿記3級試験の舞台は株式会社!

令和元年の大改訂により、簿記の舞台は個人商店から株式会社に移りました

これにより会社法が簿記に絡んでくるようになり、資本金や繰越利益剰余金、利益準備金などの仕訳が出題範囲に加えられました。

アシのMちゃんアシのMちゃん

試験の受講者の多くが会社に所属していることを考えると、この改定は当然ですよね。

純資産とは?

純資産とは、貸借対照表の資産から負債を差額です。

純資産を理解するために、まず資産と負債について確認をします。

資産は、会社が現在所有している財産や権利といった債権です。

負債は、将来支払う義務のある負債です。

純資産を式で表すと「資産ー負債=純資産」となり、言葉に置き換えると「現在所有する債券」から「将来支払う義務のある負債」を差し引いた額が純資産となります

このことから純資産を一言で表すと、最終的に手元に残るお金となります。

アシのMちゃんアシのMちゃん

こうして見ても「資産=純資産」に見えるんですけど、違うんですよねぇ。

ほどよしほどよし

法律的に違うから会計上も違うんだよねぇ。純資産は現金など具体的な形のある資産と違って資産と負債の差額でしかないから、どうしても抽象的でイメージがつきにくい。だから、会社というものを改めて理解するといいかもしれないよ。

株式会社とは?

株式会社は「株式」を発行し、投資家に株式を買い取ってもらうこと(出資)で資金を調達し、そのお金をベースに企業活動を行う営利団体です。

株式を買い取った人は「株主」となり、会社の所有者として株主総会で意見が言えるようになったり、配当金を分配されるようになります。

純資産で行う仕訳には「資本金」「繰越利益剰余金」「利益準備金」という3つの勘定科目があり、株式発行に関する仕訳には「資本金」を使います。

資本金とは?

資本金とは、株主が会社に出資したお金のことで、会社設立時に会社が持っている自己資本です。

資本金が多ければ資金繰りは楽になりますが、大きければ良い会社で少なければ悪いということはありません。

実際の仕訳を交えて解説を行います。

資本金の仕訳

例題1-1.

A株式会社の設立にあたり、株式10,000株を1株あたり1,000で発行した
投資家から全株式の払込を受け、当座預金に入金された

(借)当座預金10,000,000(貸)資本金10,000,000

アシのMちゃんアシのMちゃん

純資産の資本金は増えると貸方(右)に、減少すると借方(左)に仕訳するんですね。

例題1-2.

会社設立から5年が経過し、設備投資のためA株式会社は5,000株を1株あたり3,000円で発行(増資)した
投資家から全株式の払込を受け、当座預金に入金された

(借)当座預金15,000,000(貸)資本金15,000,000

ほどよしほどよし

このときのA株式会社の資本金は、会社設立時の1,000万円と合わせて、2,500万円になるよ。

アシのMちゃんアシのMちゃん

でも、会社設立時のお金は使っているから手元にはないんですよねぇ。

ほどよしほどよし

そうなんだ。会社設立時の運営資金は使えば減るし、商品などが売れれば増える。会社の預金は日々変動しているから、預金残高と資本金の額は一致しない。無関係なんだ。

アシのMちゃんアシのMちゃん

資本金は今まで出資を受けた金額の累計だから、企業規模を図る参考値でしかないってことですね。

繰越利益剰余金とは?

繰越利益剰余金は、貸借対照表において「その他利益剰余金のうち任意積立金以外のもの」であたり、かつ株主への配当金の原資となるものです。

簿記会計では決算整理の仕訳に登場するため、ここでは簡単な仕訳例をご紹介します。

繰越利益剰余金の仕訳

例題1.

A株式会社の1年間の収支が1億円で、費用は8,000万円かかり、当期純利益は2,000万円となった

(借)諸収益100,000,000(貸)損益100,000,000
(借)損益80,000,000(貸)諸費用80,000,000
(借)損益20,000,000(貸)繰越利益剰余金20,000,000

アシのMちゃんアシのMちゃん

繰越剰余金は収益から費用を差し引いた金額だから、単純に「儲け」になるんですね。

例題2.

翌年の収支は1億2,000万円で、費用は9,000万円かかり、当期純利益は3,000万円となった

(借)諸収益120,000,000(貸)損益120,000,000
(借)損益90,000,000(貸)諸費用90,000,000
(借)損益30,000,000(貸)繰越利益剰余金30,000,000

ほどよしほどよし

2年目に3,000万円の儲けが出たことで、A株式会社の繰越利益剰余金の残高は、5,000万円になるよ。

アシのMちゃんアシのMちゃん

繰越剰余金は今まで儲けた利益の累計ってことですね。

利益準備金とは?

利益準備金とは繰越利益剰余金のうち、会社法によって積み立てることが義務付けられているお金を指します。

利益準備金の仕訳

例題.

5,000万円ある繰越利益剰余金のうち、1,000万円を利益準備金にする

(借)繰越利益剰余金10,000,000(貸)利益準備金10,000,000

アシのMちゃんアシのMちゃん

純資産が減少する繰越利益剰余金は借方。増加する利益準備金は貸方に仕訳するんですね。

ほどよしほどよし

ただ、これだけを見ると「何のための仕訳?」となるけど、これは先にも述べている通り会計的な理論というより、会社法で定められている法的な処理と考えて割り切って考えた方いい。

アシのMちゃんアシのMちゃん

「会計上の名前を変えました」ってことでOKですか?

ほどよしほどよし

会社法では意味があるらしいんだけど、簿記的には名前を買えた以外の意味なないと覚えて問題ないと思う。

まとめ

簿記会計における「純資産」について、解説をしました。

令和元年の大改訂から簿記の世界は、個人商店から株式会社へ舞台が移りました。

それにより資本金の仕訳なども出題範囲に加わり、純資産への理解度が試されるようになっています。

純資産はイメージこそ掴むことは難しいですが、仕訳そのものは簡単です。

法的にそういうものとして捉えて、他の仕訳と同じにならないよう注意して、理解し処理を覚えましょう。