

金利が上がるとなぜ株価は下がるんですか?
こんな人のための記事です。
「国債の金利が上昇した。株価の暴落に気をつけた方がいい」
投資の世界ではよく聞く話ですが、この話は国債と株価の関係がわからないと
「?」
となります。
というわけで、この記事では「金利と株価の関係(つながり)」を理解するために
- 国債と金利の仕組
- 金利と株価の仕組
について、解説をします。

国債と株価は金利で繋がっているので、国債と金利の関係が理解できれば、「金利と株価の関係」もわかります♪
国債と金利の仕組
まず、「国債って何?」というと、「国にお金を貸すこと」です。
つまり、国債は「国の借金」となります。
国債の金利は2つに分かれる
国債には「短期国債」と「長期国債」の2つがあります。
1年未満のものを短期国債といい、1年以上のものを総じて長期国債といいます。
5年国債も長期国債となりますが、この記事では中央値の10年国債を長期国債として解説を続けます。
日銀の金融政策について
国債の価格は、その国の中央銀行の政策金利に影響を受けます。
日本の中央銀行である日本銀行(日銀)の金融政策はというと、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)です。
イールドとは金利(利回り)のことで、日銀では短期と長期の金利を以下のようになるよう直接操作(国債の売買)をしています。
短期金利
日本銀行の当座預金のうち、政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用する。
長期金利
10年もの国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を儲けず必要な金額の長期国際の買い入れを行う。その際、金利は、経済・物価情勢に応じて上下にある程度変動しうるものとする。
短期・長期の利回り(イールド)を繋いだイールドカーブは、通常は緩やかな右肩上がりのカーブを描いています。
しかし、日本国債は日銀が直接売り買いをしているため、短期金利はマイナスになるように調整し、長期金利はゼロ%になるように調整することで、金利を動きにくく操作しています。
なぜ、日銀はこのような政策をとっているのか?
この日銀の政策を踏まえて、債券投資について解説を続けます。
債券投資の特徴
株式投資と同じように、債券投資にもインカムゲイン(利息)とキャピタルゲイン(価格差益)があります。
そして、債券には株式投資と違うもう一つの特徴があります。
債券は国の借金であるため、いつまでにお金を返却するという償還日(期限)があります。
そして、その償還時の金額には変動しません。
当たり前の話ですが、100万円を貸せば100万円に利息がついて返ってきます。
現在の国債は市場で売買されている
国債の償還時の金額は変動しませんが、購入する時の国債価格は変動します。
理由は、国債が市場で売買されているからです。
そのため、購入する時の国債価格が低ければ、変動しない償還時の金額との差益が大きくなるため、金利(利回り)は上昇します。
反対に国債の価格が高ければ、償還時の金額との差益が少なくなってしまうため、金利(利回り)は下降します。
10年もの国債を例に、国債の金利をざっくり解説!
国債の市場価格が100万円のとき、1%の利回りがついた国債を購入すると10年後110万円になって返ってくるとします。
その後、国債が買われすぎて国債価格が上昇し、現在の国債価格が105万円になったとします。
このとき10年国債の償還時の金額も110万円であるため、0.5%と金利が下がります。
反対に、国債が売られすぎて価格が下落し、国債価格が95万円になったときは、金利は1.4%と上昇します。
以上のことから、
- 国債が上がると、金利は下がり
- 国債が下がると、金利は上がる
という、理論になります。
金利と株価の仕組
国債と金利の関係が繋がったところで、次に金利と株価の株価を繋げます。
金利と株価の仕組みは、「理論株価」などで計算できるのですが、難しい内容なので簡単に解説します。
理論株価について知りたい人は、YouTubeで解説動画を探すことをお勧めします。
金利が上がると株価がなぜ下がるのか?
この理由は、国債と金利の関係を知っていれば簡単です。
先に説明した通り、金利が上がると、国債価格は下がります。
裏を返せば、これは国債価格が下がり、金利が1~2、または3%も上がることを意味しています。
国債は償還時の金額が決まっているノーリスクの資産です。
金利が上がるということは、ノーリスクで資産が増えることを意味します。
そのため、1~3%ぐらいのリターンを目指して株式投資をするより、安全な国債を買った方が確実にお金儲けができるため、金利が上がると投資家は株価を売却して安全資産の国債を買いに走ります。
そして株価が大量に売られると、株価の価格は下がります。
つまり、金利が上がると株価が下がるという状態になります。
国債はあまりに金利が低すぎるため、われわれ庶民にはあまりピンとこない話ですが、資産が1億円以上もあるお金持ちや投資資金の大きい機関投資家は、金利の低い国債でも100万円以上のお金をノーリスクで増やすことができるため、金利の上下により株価に影響が与えるほどのお金を動かしたりします。
株式投資をする際には、まず「金利と株式の関係を知ることが一番大事」といわれる理由です。
まとめ
株式投資で初めに知っておく必要のある「金利と株価の関係」について解説をしました。
金利を知るためには、まず国債の仕組を知る必要があります。
国債には償還日があり、償還時の金額は変動しません。
そのため、債券と金利の価格は逆に動きます。
そして安全資産の債券価格が下がると金利が上がるため、リスクの高い株に投資をしている投資家は債券を買うようになり、株価も下がります。

現在の株価は米国株に連動して動くため、特に米国債の金利には要注意です!