
株式投資の基礎知識「PER」と「PBR」について、こんなことを解決する記事を作成しました。
この記事で解決できる悩み
株を買う判断基準は?
PERの調べ方は?
PBRの使い方は?
株価を比べることに意味はない!
株式投資の基礎知識として、覚えておく必要がある3つの言葉(指標)があります。
時価総額
PER
PBR
聞いたことのある人も多いと思いますが、株式投資をするにあたってこれらを意識している人は意外と少ないです。
正直、PERとかよくわからん。
と、いう感じだと思います。
そして、多くの人が注目しているのが、株価だと思います。
- A社の株価が何円。
- B社の株価が何円。
A社の方が今後伸びそうだからA社を買おう。
みたいな感じで株の取引をいているのが、現状です。
しかし、異なる会社の株価を比べて投資することに意味はありません。
理由は、株の発行枚数が会社によってバラバラだからです。
そのため株価の高い・安いで、その会社の価値は決まりません。
会社の価値は時価総額で判断する!
株価で会社の価値が決まらないとすると、何で会社の価値を判断するのかというと「時価総額」で会社の価値を判断します。
時価総額の計算式
時価総額=株価×発行済株数
例えば、A社の株価が40,000円でB社の株価が6,000円だったとします。
この時、A社の発行株数が1,000に対し、B社が10,000だった場合、それぞれの時価総額は、A社の4兆円に対しB社は6兆円となり、B社の方が会社の価値としては高いとなります。
このように、株価の値段だけで会社の価値は決まりません。
2020年11月現在のトヨタ自動車の株価は約7,200円で、時価総額は23.87兆円です。
一方、ホンダの株価は約2,900円で、時価総額は5.28兆円です。
これらの株価は割安なのか?、割高なのか?
どちらの方がお買い得なのか?
PERとPBRの説明を交えて、お伝えします。
PERで会社の稼ぐ力に着目する!
会社で重要なことは、利益を上げることです。
この追求した利益の中から出資した株主に対して還元が行われます。
そのため株主は、出資した会社がどれだけ利益をあげているのか?
それを厳しく判断し、投資先を見極める必要があります。
ここで重要なのが、この時価総額に対してどれぐらいの利益を上げているのか?という点です。
例えば、時価総額100億円で10億の利益を上げるA社と時価総額1,000億円で10億の利益を上げるB社では、A社の利益率が高くなります。
これを表す指標がPER(株価収益率)です。
PER(株価収益率)とは?
PERは何年で時価総額を稼ぐのか?というものを表す指標です。
PERの計算式
PER=時価総額/1株当たりの当期純利益(EPS)
当期純利益とは、1株当たりの利益に発行株数をかけたものです。
これで投資する先の会社の稼ぐ力を出すことができます。
先ほどの例で説明すると、それぞれのPERは以下の通りとなります。
A社:時価総額100億円 利益10億円 PER10(=100億円/10億円)
B社:時価総額1,000億円 利益10億円 PER100(=1,000億円/10億円)
つまり、A社は時価総額100億円を稼ぐのに10年かかるという目安になり、B社は100年かかるということになります。
ただし、ビジネスは流動的であるため、利益は毎年変わり、必ずしもPER通りに推移するわけではありません。
そのため、企業の今後の見通しに注目する必要があるのです。
PERの目安は?
PERの出し方がわかったところで、このPERはどれくらいが妥当なのか?についてお伝えします。
業界や会社によってバラバラで一概に言えませんが、日経平均では10~15くらいで推移しています。
物凄い成長している企業は、PERが100とか普通に行きます。
今は稼ぐ力はないけれど、今後稼ぐ力が出てくるだろうという投資家の期待値で株価が上がり、時価総額が上がることがあります。
なので、PERはあくまでも現在の企業の稼ぐ力を表した目安となります。
ちなみに、赤字になるとPERはつかなくなります。
コロナ禍でJALやANAなどの航空株にPERがつかない状態になる感じです。
しかし、PERがつかないからといって「売り」になるかというとそういうわけでもなく、コロナ終息に向けて航空株も暴騰する可能性が大きいので、PERがつかない株がダメなのかというとそういうわけでもありません。
一方、成熟企業や衰退する業界のPERは10を割ることもあります。
そのため、PERが10を下回る会社の株が全て割安かというとそういうわけでもありません。衰退する企業の株を投資家が欲しくならないため、株価が上がる可能性は低くなります。
そうした場合は、配当金狙いで投資をする投資をしている人もいます。
SBI証券のスクリーニングで調べる!
PERはSBI証券のスクリーニングという機能を使えば簡単に調べることができます。
※スクリーニングを利用するためには、口座開設をする必要があります。
PBRは市場が決めた会社の価値!
PBRは、時価総額に対してどれくらい純資産があるのかを算出する指標です。
PBRの計算式
PBR=現在の株価/1株当たりの純資産(BPS)
簡単なポイントは、PBRが1倍を割れているとお得と言われています。
純資産は、会社の資産総額から負債総額を差し引いた金額です。
例えば、純資産100億円の会社が80億円で売られていれば、当然お得です。
こういった感じでPBRは1倍を割れていると割安のバリュー株となります。
ただし、1倍割れている株を買えばいいというわけではない。
1倍を割れている株は割安ですが、その分マーケットで評価されていないという見方もできます。
そのため、株を購入してもその株の価値が上がると言い切れません。
株は株価の値動きによる差額で、儲けと損失が計算されます。
そのため、現在のマーケットで評価されていないバリュー株を購入することは、お得ですが必ずしも儲かるというわけではありません。
市場は、今の資産より今後稼ぐであろうお金を評価するということも考えることが大切です。
そのため、PBRが高い会社は、マーケットが評価しているということになります。
ただし、投資家の期待値も含んでいる場合もあるため、実際の評価より高く評価される場合もあり、株価を高値でつかみやすくなってしまいます。
PBRの使い方としては、PBRが低く、現在評価されていないが、今後伸びる可能性の高い会社を見極めることができれば、儲けることができます。
投資初心者でこれをするのが難しいので、おすすめはPBR1倍以上で、期待値の入りすぎていない正当に評価されている会社から銘柄を探すことをおすすめします。
まとめ
株式投資の基礎知識であるPERとPBRについてお伝えしました。
投資する会社を判断するにためには株価だけでなく、その会社の時価総額やPER、PBRを確認する必要があります。
自分が投資している株を他の投資家がどのように判断しているのか、その指標から何が読み取れるのか?
これらの指標を使い分けることは難しいですが、とりあえず気になった銘柄を一つでも購入して色々観察するうちに自分の中で良し悪しがわかるようになります。
まずは、マーケットに自分のポジションを置いてどの指標を追いかけるのか?試しながら自分の資産を増やしていきましょう。