光武・改

模型にリアルな質感を加えるウェザリング技法のひとつ「チッピング」。

その中でも、手軽で効果的なのがスポンジチッピングです。
塗装が剥がれたような表現を再現することで、使い込まれた雰囲気を演出できます。

本記事では、初心者でも簡単にできるスポンジチッピングの基本から、よりリアルな仕上げを目指す応用テクニックまで詳しく解説します。

チッピングとは?塗装剥がれ表現の基本

チッピングとは、塗装が剥がれたような表現を施すウェザリング技法の一つです。
戦車や航空機、ロボット模型など、金属製のパーツが傷ついたり劣化したりした様子を再現するのに適しています。

特にスポンジチッピングは、筆を使うよりも自然な仕上がりになりやすく、初めてウェザリングに挑戦する方にもおすすめです。

スポンジチッピングに必要な道具と塗料

必要な道具

  • スポンジ(メラミンスポンジ、メイク用スポンジ、キッチンスポンジなど)
  • 塗料(エナメル塗料やアクリル塗料が適している)
  • パレットやペーパータオル(塗料の調整用)
  • ピンセット(細かい作業用)
  • マスキングテープ(作業範囲を限定する際に使用)

使用する塗料の選び方

  • エナメル塗料:乾燥が遅く、ぼかしやすいため初心者におすすめ。
  • アクリル塗料:発色が良く、乾燥が早いため短時間で仕上げたいときに向いている。
  • ラッカー塗料:強い耐久性があるが、扱いに注意が必要。

基本的なスポンジチッピングのやり方

① スポンジを準備する

使用するスポンジを小さくちぎり、ランダムな形に整えます。この不規則な形状が、自然なチッピング効果を生み出します。

② 塗料をスポンジに付ける

パレットに塗料を出し、スポンジに少量つけます。その後、ペーパータオルの上で余分な塗料を落とし、ほとんど乾いた状態(ドライな状態)にします。

③ 軽くポンポンと叩くように塗る

模型のエッジや摩耗しそうな部分を中心に、スポンジで軽く叩くようにして塗料を乗せます。強く押しすぎると不自然な形になってしまうため、優しくポンポンと置いていくのがポイントです。

リアルに見せるための応用テクニック

① 塗装剥がれの位置やパターンを考える

  • 角やエッジ部分は特に剥がれやすい
  • よく手が触れるハッチや出入口周辺もダメージが出やすい
  • 戦闘機や戦車なら、弾痕や風雨の影響を考慮するとよりリアルに

② 複数色を使う

  • 下地の金属色(シルバーなど)を最初に塗ってからチッピングをすると、リアルな剥がれ感が増す。
  • サビ色や汚れ色(ブラウン、ダークグレーなど)を重ねて使うと、より使い込まれた表現に。

③ 筆と組み合わせて仕上げる

細かいチッピングを追加する際には、スポンジの代わりに筆を使うと繊細な剥がれを表現できる。

スポンジチッピングを活用した作例紹介

例えば、以下のような仕上がりが期待できます。

  • 戦車モデル:エッジや車体の各所に施したチッピングで、長年の使用感を演出。
  • ガンプラ:モビルスーツのアーマーに施すことで、戦闘での損傷を表現。
  • 航空機モデル:翼の先端や整備ハッチの周囲にチッピングを加え、実際に使い込まれた雰囲気に。

まとめ:チッピングを活かして模型のリアル感をアップ!

スポンジチッピングは、簡単な道具でリアルなダメージ表現を再現できる便利な技法です。基本を押さえれば、初心者でも簡単に挑戦できます。

  • スポンジの種類や塗料の選び方を工夫する
  • ポンポンと軽く叩くように塗る
  • 複数色を重ねてリアル感を演出する