劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』に登場する、メルトランディ軍のエースパイロット、ミリア639。
彼女が搭乗するクァドラン・ローは、いわゆる「人型ロボット」とは一線を画す、異星文明らしい有機的で重量感のあるデザインが特徴の機体です。
今回制作したのは、ハセガワ 1/72 クァドラン・ロー(ミリア機)。
制作テーマはシンプルに、
- 曲面主体の装甲を活かすこと
- 派手になりすぎない赤
- 劇場版のイメージを崩さない重厚感
- 面をどう見せるか
- 塗装でどう立体感を出すか
- 塗膜を傷めにくい
- 曲面でもラインが安定する
- 再現性が高い
- 色のブレが少ない
- 曲面主体の造形を楽しめる
- 塗装で表情が大きく変わる
- 劇場版メカの魅力を再確認できる
ハセガワ 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか クァドラン・ロー ミリア(劇場版)
目次
キット紹介
ハセガワのクァドラン・ローは、全体的に曲面構成が非常に多く、情報量のあるキットです。
合わせ目やパーツ構成も素直で、極端に難しい工作はありませんが、
が完成度を大きく左右するタイプのキットだと感じました。
ミリア機クァドラン・ロー完成
まずは全体像から。

赤を基調とした機体ですが、単色ベタ塗りにならないよう、下地色と塗り重ねでニュアンスを出すことを意識しています。
全体フロントビュー|正面から見る迫力
正面から見るクァドラン・ローは、とにかく肩と脚のボリューム感が印象的です。

赤装甲部分は以下の順で塗装しています。
■ 赤の塗装レシピ
調色は行わず、塗料そのものの隠蔽力を活かして色味をコントロールしています。
全体バックビュー|背面が語る重量感
背面は正面以上に装甲の密度が高く、兵器としての説得力を感じる部分です。

単調になりがちな背面も、下地にマホガニーサーフェイサーを使うことで、赤に深みと影が生まれています。
頭部|異星文明らしい造形
頭部は「顔」というより、センサーの集合体のような印象。

ピンク部分は以下の塗装順です。
■ ピンクの塗装レシピ
クリアレッドを重ねることで、単なるピンクではなく、生物的な奥行きを持たせています。
腕部|曲面と黒ラインの引き締め
腕部は曲面が多く、赤一色だと間延びしやすい箇所です。

黒ラインは水性ブラックで塗装し、はみ出し部分をマジックリンで拭き取り。
この方法は、
という点で非常に扱いやすく感じました。
胸部構造|腰のない機体ならではの存在感
クァドラン・ローは、いわゆる「腰」にあたる部分がありません。

そのため、胸部から脚部へ一気につながるシルエットが、独特の重心の低さを生み出しています。
上半身サイドビュー|曲面構成の美しさ
横から見ると、この機体がいかに曲面で構成されているかがよく分かります。

ここでは塗装のグラデーションよりも、面の流れを崩さないことを優先しました。
斜め上からのビュー|立体感が最も映える角度
斜め上からのアングルは、クァドラン・ローが最も映える角度のひとつです。

肩・胸・脚のボリューム感が一体となり、立体物としての存在感が強調されます。
脚部|重量感を支える下半身
脚部は、機体全体の重量感を支える重要なパーツです。

赤装甲の塗装方法は胴体と同じですが、下地の影響で微妙に色味が変わるのも面白いところ。
脚部背面|見落としがちな情報量
背面から見た脚部も、モールドが多く情報量があります。

「見えにくい場所だからこそ、手を抜かない」という意識で仕上げました。
ハッチオープン|内部表現について
ハッチオープン状態では、内部メカの存在感が一気に増します。

外装とは質感を変え、メリハリをつけることで、構造物としての説得力を意識しました。
灰色・黒部分の塗装について
■ 灰色の塗装レシピ
■ 黒部分
いずれも調色は行わず、瓶のまま塗装しています。
色を混ぜないことで、
というメリットを重視しました。
まとめ|クァドラン・ローを作って感じたこと
ハセガワ 1/72 クァドラン・ローは、
非常に作りごたえのあるキットでした。
調色に頼らず、下地と塗り重ねだけで色味を作ることで、自分なりのミリア機に仕上げられたと思います。
異星兵器らしい存在感を楽しみたい方には、ぜひ一度手に取ってほしいキットです。
ハセガワ 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか クァドラン・ロー ミリア(劇場版)
