この記事で解決できるお悩み
- ウェザリングのやり方ってどれくらいあるの?
- 泥や雨垂れ、サビを表現するにはどうしたらいい?
- 時間をかけずにできるだけ簡単に汚れ塗装をしたい
泥や雨垂れ、サビなどを表現するウェザリングには様々な方法があります。
この記事では、ガンプラを簡単にウェザリングする方法を紹介します。
ウェザリング(汚し塗装)とは?
ウェザリングとは、泥汚れや雨垂れ、サビ、スス汚れなどを表現するプラモデルの塗装手法です。
風化を表現する汚し塗装は、プラモデルにリアルな質感を与え、作品の雰囲気を高めてくれます。
ウェザリング前の準備
プラモデルの表面はツルツルしているので、そのままではウェザリング用のマテリアルの定着が低い。そこでウェザリング前にクリアコート(半ツヤorツヤ消し)をキット全体に吹きます。
ウェザリング前にクリアコートを吹くことで、
することができます。ウェザリングの種類
ここでは6つのウェザリングの手法を紹介します。
代表的なウェザリング手法
- ウォッシング
- フィルタリング
- チッピング
- ドライブラシ
- ストレーキング(雨垂れ・オイル漏れなど)
ウォッシング
ウォッシングとはキットを一度汚して洗うこと。
やり方は簡単。下地の塗料に影響を与えないエナメル塗料もしくは油彩系塗料(絵の具)でキット全体を洗うように塗装し、筆やティッシュ、綿棒で拭き取るだけ。
ウォッシングの手順
- 塗料を1:1〜3ぐらいの割合で希釈する
- キット全体を筆で塗る
- 筆やティッシュ、綿棒に薄め液を含ませ、塗料を拭き取る
ウォッシングのコツは2つ。
ウォッシングのコツ
- 重力を意識して筆を動かす
- 塗料を拭き取り過ぎない
塗料を拭き取るときは力を入れ過ぎず、拭き取り過ぎに注意しましょう。
塗料を拭き取るときは、薄め液に浸した綿棒かティッシュで拭き取ります。
フィルタリング
フィルターをかけるように塗料を重ねることをフィルタリングといいます。
ウォッシングのように塗装した後の拭き取りはせず、塗料を薄く重ねることで全体の色味を調整するのが狙いです。
そのため、フィルタリング時にはウォッシングでよく使用するブラウン系の塗料だけでなく、ブルーやグリーン、バイオレットなど多彩な色を使用します。
フィルタリングの手順
- 塗料を1:1〜3ぐらいの割合で希釈する
- キット全体を筆で塗る
塗料をつけ過ぎて垂れてしまった時は、筆に薄め液をつけて拭き取り過ぎない程度に塗料を吸い取りましょう。
チッピング
「欠ける」という意味を持つチッピングは、銃弾や風化などで剥がれた塗装を表現するときに行います。
チッピングで使用する道具は、塗料とスポンジ、ティッシュの3つ。
使用する塗料の傾向
- ブラウン系:塗装が剥がれ後の劣化(サビ)を表現
- シルバー系:金属の下地が出ている状態を表現
チッピングのやり方も簡単です。
チッピングの手順
- スポンジに塗料をつける
- ティッシュでスポンジを擦り、塗料を拭き取る
- パーツのエッジに塗料が乗るようにスポンジをトントン叩きつける
ポイントは、スポンジにつけた塗料がティッシュにつかなくなるぐらい拭き取ること。
塗料の剥がれを表現するチッピングは、キットに薄ら色が乗る程度で大丈夫です。
ドライブラシ
エッジ部分の塗装の剥がれやハイライトを表現するドライブラシ。
用意する道具は、筆と塗料、ティッシュの3つ。
使用する塗料は、ラッカーでも水性、エナメルでもなんでもOK。
失敗したときに拭き取りやすいエナメル塗料を使う人もいます。
気をつけるポイントは、下地に負けない隠蔽力の高い塗料を使うこと。
ドライブラシのやり方は、チッピングとほぼ同じ。
ドライブラシの手順
- 筆に塗料をつける
- 筆でティッシュを擦り、塗料を拭き取る
- 筆をパーツのエッジに擦り付けて、塗装の剥がれやハイライトを入れる
ドライブラシのポイントはチッピングと同じ。
筆がカサカサになるまでティッシュで拭き取ること。
塗料がすぐに乗ることはないので、「塗料をつける→ティッシュで拭き取る→塗る」の工程を数回繰り返します。
チッピングとドライブラシは塗料の剥がれを表現する技法なので、やり過ぎ注意です。
ストレーキング
雨垂れやオイル漏れなど、経験劣化による水漏れを表現するストレーキング。
ストレーキングのコツは、雨水やサビ、オイルの流れやディテールに溜まっている様子を表現すること。つまり、重力を意識した筆の動きが重要となります。
ストレーキングで使用する塗料は、ウェザリング具合を調整しやすいエナメル塗料を使います。
ストレーキングの手順
- 筆に塗料をつける
- 重力を意識して筆を動かす
ストレーキングは、塗料の希釈率でサビやオイルによるウェザリング具合を調整します。
塗料をつけすぎて垂れ過ぎてしまった時は、綿棒や筆で拭き取ります。
ウェザリングに使用するアイテム
ウェザリングは使用するアイテムで表現できる技法が変わります。
ここではウェザリングで使用する代表的なアイテムを紹介します。
ウェザリングマスター
3色のカラーと専用ツールがセットになったタミヤのウェザリングマスター。
AからHまで多様なセットが用意されており、表現したいウェザリングによって使用するセットを変更して使用します。
使い方は簡単。パーツのエッジに擦り付けてパウダー状の塗料を塗布するだけ。
ウェザリングマスターが剥がれないように、
です。Mr.ウェザリングカラー
Mr.ウェザリングカラーは油彩をベースにした伸びの良い塗料です。
シリーズ単体だけでなく調色できため、色々な風合いの泥や風化を表現することができます。
今回紹介したウェザリング技法は、実はウェザリングマスターがあれば完結します。
ウェザリング初心者は、まず と思います。
ウェザリングのコツ
ウェザリングで失敗しないコツ
- 筆を動かす方向(重力)を意識する
- やりすぎない
- スケールを考えて汚す
上の画像は、重力とスケールを意識せずに汚しすぎたガンダムの脚です。
塗料がパーツの上部に溜まり、ガンダムのスケール(約18メートル)を考えると泥などの汚れがつきすぎています。
ウェザリングにおけるミスの大半は、このように汚し過ぎによるキットの仕上がりを損ねることです。
ウェザリングのやり過ぎを抑えるには、キットのスケールを考えてウェザリングをすることです。
1/100スケールのガンプラにウェザリングによるサビを1センチ(0.01メートル)つけると、1メートル(0.01メートル×100=1メートル)のサビをつけることになります。
運用中のモビルスーツにサビが1メートルもつくとは考えにくいので、この場合はウェザリングのやり過ぎと考えた方いいと思います。
状況とスケールを考えてウェアリングをすれば、失敗が少なくなります。
まとめ
ウェザリングの種類について解説をしました。
ウェザリングの主な技法
- ウォッシング
- フィルタリング
- チッピング
- ドライブラシ
- ストレーキング(雨垂れ・オイル漏れなど)
これら技法はどれか一つを実践するのではなく、
になります。やり過ぎ注意なウェザリングですが、失敗してもやり直しのできる技法です。
無塗装のガンプラに全てのウェザリング技法を実践ぐらいやっても問題はないので、新しいことにどんどんチャレンジしていきましょう。z