スジボリのビフォアフター

ガンプラのスジボリは、ディテールを引き立て、模型のリアリティを高める重要な作業です。

スジボリを行うことで、光の反射や陰影が生まれ、模型の立体感が増します。

しかし、模型を掘り込むスジボリは失敗してはいけない繊細な作業であり、作業手順や適切な工具を使用する必要があります。

正しい手順と工具にこだわることで、より正確で美しいスジボリが可能となり、完成度の高いガンプラを作り上げることができます。

この記事では、初心者でも扱いやすい基本工具を揃えて、スジボリの魅力をお伝えします。

スジボリに必要な基本工具

スジボリを始めるためには、以下の4つの工具が必要です。
それぞれの工具の特徴と使い方を紹介します。

ケガキ針

ケガキ針

ケガキ針は、鋭く尖った先端でプラスチックの表面に細い線を引くための工具です。

スジボリの下書きやガイドラインを作成する際に使用します。

使い方は簡単で、プラスティックの表面をなぞるように線を引くだけです。

針先の行方をコントロールしやすいケガキ針は曲面でも使用しやすく、綺麗な線を引くには力を入れないのがポイントになります。

ガレージキットやフィギュアモデルなどのスジボリに

ミネシマ 精密ケガキ針

キサゲ

キサゲ

キサゲは、鋭い刃先で表面のバリ取りや仕上げに使用する工具です。

主にラインを整えるために使用し、表面を滑らかに仕上げることができます。

使い方は簡単で、削りたい部分(ケガキ針のスジボリライン)に軽く刃を当てて、一定の角度と圧力を保ちながら少しずつ削るだけです。

キサゲはスジボリに必須の道具ではありませんが、初心者がスジボリラインの仕上がりの高さを求めるには最適な工具になります。

スジボリのラインが綺麗に仕上がらない人は、一度お試しすることをおすすめします。

プラモデルのディティール処理に

ミネシマ キサゲ

タガネ

BMCタガネ

タガネは、スジボリの主役とも言える工具で、深くてはっきりとした線を彫ることに適しています。

またタガネの刃先は幅が様々で、細かいディテールから太いラインまで対応できるのが特徴です。

使い方のコツは、力を入れすぎず、一定の力で均一に彫ることです。

スジボリ用のタガネで有名なスジボリ堂の「BMCタガネ」は、精度が高く、初心者からプロまで幅広く支持されています。

ただし、BMCタガネを代表するタガネオ多くは、刃先が四角形で平らであるため、刃先のコントロールが難しく、スジボリの線がよれたり、ガイドテープから外れることがしばしばあります。

タガネの仕様に慣れていないうちは、ケガキ針やキサゲなどの力を借りて、綺麗なスジボリラインを彫れるように訓練してください。

高炭素鋼刃使用、引き彫り・左右彫り・キサゲ掛けに

ハイキューパーツ ラインスクライバー0.15mm

ガイドテープ

ガイドテープ

ガイドテープは、スジボリの際にまっすぐな線を引くための補助工具です。

タガネやケガキ針を使う際のガイドとして使用します。

先述したようにスジボリは失敗できない工作の一つです。

スジボリのラインがよれたり、刃先がガイドから外れたりしないように、しっかりと模型に貼り付けましょう。

適度な張りと粘着性がスジボリに最適

ニチバン クリアラインテープ

スジボリ作業の基本手順

スジボリ作業は、以下の3つのステップで行います。

  1. 下書きする:鉛筆などでスジボリのラインを軽く引きます。
  2. ガイドテープを貼る:まっすぐな線を引くために、ガイドテープを貼ります。
  3. ゆっくり彫る:ケガキ針→キサゲ→タガネの順に、ゆっくりと彫り進めます。

下書きする

まず、彫りたいラインを鉛筆やマーカーで下書きします。

下書きは、パーツの形状やディテールを参考にして書き込みます。

ガイドテープを貼る

下書きが終わったら、ガイドテープを下書きのラインを参考に貼ります。

ガイドテープを使うことで、彫りの精度が格段に向上します。

ゆっくり彫る

ガイドテープを貼ったら、ケガキ針→キサゲ→タガネの順にスジボリを彫り進めます。

ケガキ針で軽くラインをなぞり、キサゲを使ってラインを少し深く彫ります。
最後にタガネを使って、ラインをしっかりと彫り込んでいきます。

この順番で作業することで、ラインがきれいに仕上がります。

力を入れすぎず、一定の力で均一に彫ることがポイントです。

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スジボリを綺麗に仕上げるためのポイント

  • めんどくさがらないこと: 丁寧に作業することで、綺麗な仕上がりになります。
  • 力を入れずに彫ること: 力を入れすぎると、プラスチックが割れることがあります。
  • 道具に慣れること: 何度も練習することで、スジボリの技術が向上します。

めんどくさがらない

スジボリは細かい作業が多く、時間がかかることもありますが、めんどくさがらずに丁寧に進めることが重要です。

急いで作業するとラインが歪んだり、深さが不均一になったりすることがあります。

特に複雑なパターンや曲線を彫る場合、焦らずに一つ一つのステップを確実にこなすことで、仕上がりが格段に良くなります。

忍耐強く、細部にこだわる姿勢が成功の鍵です。

力を入れずに彫る

スジボリを彫る際には、力を入れすぎないことがポイントです。

過度な力を加えると、ラインが深くなりすぎたり、模型自体にダメージを与える可能性があります。

軽いタッチで、一定の力を保ちながら彫ることで、均一で美しいラインが得られます。

特にタガネを使う際は、力をコントロールしながら慎重に作業を進めることが大切です。

道具に慣れる

スジボリの道具に慣れることも重要です。

初めて使う道具は、まず練習用の素材で試してみると良いでしょう。

ケガキ針、キサゲ、タガネそれぞれの特性を理解し、どのように使うと最も効果的かを把握することが大切です。

道具に慣れることで、作業の精度が向上し、よりスムーズに進めることができます。

練習を重ねることで、自信を持って本番の作業に取り組めるようになります。

まとめ

スジボリ例

スジボリは、ガンプラのディテールを引き立てるための重要なテクニックです。

ケガキ針、キサゲ、タガネ、ガイドテープの4つの基本工具を揃えて、スジボリに挑戦してみましょう。

初心者でも簡単に始められるので、ぜひ試してみてください。