この記事で解決できるお悩み
- プラモデルを作る手順は?
- プラモデル作りに必要な道具は?
- 道具の正しい使い方は?
模型売り場で見かけたプラモデルがカッコよくて、勢いで買ってしまうことってありますよね。
しかし、完成したプラモデルを見ると、
- おもちゃっぽい
- 想像や箱絵と違う
- 組み立てに失敗した
など、思い通りにいかないことばかり。
この記事では、模型歴35年の僕が、失敗しないプラモデルの組み立て方を解説。
この記事を読めば、誰でも簡単にプラモデルを組み立てられるようになります。
作りたいものを作れるように、日々精進していきましょう。
模型屋でプラモデルを選ぶときに、どれを買っていいか迷ってしまうという人に向けて、プラモデル作りで挫折をしないためのプラモデルの種類と選び方についてをゆっくり解説します。
STEP1.内容物の確認
プラモデルを購入したら、まずは中身が揃っているか確認しましょう。
新しい説明書をワクワクしながらめくり、ランナーを食い入るように愛でる・・・至福の時間です。
購入時に確認すること
- 内容物の過不足
- パーツの欠損
- 組み立て手順
こちらは参考までに用意したHGガンタンク。
HGガンタンクの内容物
- 説明書
- ランナー(4枚)
- シール類
外箱を開けると、こんな感じでプラモデルと付属品が梱包されています。
説明書を開いて、ランナーの枚数や付属品の欠損を確認し、工作手順も事前に確認しておきます。
ちなみに、ランナーとはプラスティックの樹脂を金型で成形したパーツを囲う枠のことです。
ランナーとパーツはゲートで繋がっています。プラモデルを組み立てる時は、ゲートを切ってパーツをランナーから切り離して組み立てていきます。
プラモデル作りのコツ その1「目標を決める」
プラモデルは、作る目標によって難易度や工程、工作量が変わってきます。
説明書やランナーを見ながら、自分が作りたい完成品のイメージを膨らましましょう。
参考までに、完成例をいくつかご紹介します。
完成例その1:素組
素組とは、購入したプラモデルを塗装や改造をせずに、キット本来のプロポーションと成形色を楽しむ完成品です。
プラモデルをガシガシ動かしたり、様々なアクションポーズを楽しむ人向けです。
近年のガンプラは色分けがしっかりされているので、素組を楽しむモデラーもたくさんいます。
完成例その2:簡単フィニッシュ(成形色活かし)
素組だけでは物足りない人は、組んだプラモデルにスミ入れをして、つや消しのクリアコートをしましょう。
スミ入れをすることでプラモデルの立体感が増し、ツヤ消しクリアを吹くことでプラスティックのテカリを抑えることができます。
ただし、クリアを吹いたパーツが擦れると、塗装面が白化することがあります。
プラモデルを動かして遊びたい人は、スミ入れまでに留めた方がいいと思います。
クリア塗装を含む簡単フィニッシュは、以下のような人にオススメの完成品モデルです。
- 塗装する時間がない
- 塗装できる環境がない
- 成形色を活かしたい
- おもちゃ感を無くしたい
クリアを吹くだけでプラモデルの質感は一新し、見違えるようにカッコよくなります。
個人的にはやり直しはいくらでもできるので、クリアを吹くことをオススメします。
完成例その3:全塗装
- 工作途中の傷を確認したい
- キズを消す工程を短くしたい
- オリジナルカラーで塗装したい
こうした理由のある人は、塗装することをオススメします。
完成例その4:グラデーション塗装
雑誌作例などでよく見かけるグラデーション塗装。
塗料を吹き出すときのエア圧を工夫すれば、誰でもできる塗装技術の一つです。
グラデーション塗装などの塗装表現は、コンプレッサーなどの機材を揃え必要があります。
初期投資は必要ですが、長い目で見ればエア缶を使うよりもコスパは良く、作例のような作品を作りたい人には必須の道具です。
塗料を霧状のミストで吹きつけるエアブラシ。塗料の種類や色、吹き加減を調整しながら行うエアブラシ塗装は、表現豊かなプラモデルを製作するために必須のテクニックです。今回はエアブラシ塗装を上手に行うためのエアブラシの基礎知識を解説します。
完成例その5:オリジナル作例
SNSなどでよく見かけるディテール増し増しの作品。
プロポーションを直したり、ディテールパーツやプラ板を切ったり貼ったりすることで自分オリジナルの作品を作れるのがプラモデルの醍醐味です。
いきなりは難しいかもしれませんが、一度は自分の手で作り上げたいと思うモデラーも多いはず。
どこまで作り込むかは自分次第です。
力量や工作時間などを考慮して、作りたいものを作れるように、目標を持ってプラモデル作りに取り組みましょう。
STEP.2パーツの切り出し〜ゲート処理
内容物と目標を決めたら、いよいよプラモデル作りの開始です。
プラモデルはゲートを切って、説明書の通りに組み立てれば完成します。
これだけを聞くと、プラモデル作りも簡単そうですが、完成したプラモデルを見ると「思ったよりカッコよくない」ということがよくあります。
最近のガンプラは昔のキットに比べると、プロポーションや色分けがしっかりされているので、何も考えずに組み立ててもカッコいいプラモデルが完成します。
ただし、ゲート跡やパーティングラインなど、本来のモデルには実在しない工作跡が残ってしまうと、完成度は下がってしまいます。
プラモデル作りは、こうした残骸を取り除くことでも完成度を上げることができます。
プラモデル作りのコツ その2「ゲートは二度切りする」
プラモデルをキレイに作るコツは、ゲート跡やパーティングラインを見えなくすることです。
ゲートは無造作に切ると、切断面が白く(白化)なります。
プラスティックの白化は、プラスティックに余計なテンション(圧力)をかけすぎた結果おこるプラスティックの破損現象です。
白化したプラスティックはヤスリをかけても消えません。
プラモデルのパーツをゲートから切り離すときは、白化しないように注意しながらゲートを切る必要があります。
ゲートに余計なテンションをかけないようにするには、切断時のテンションを低く抑えるために二度切りしましょう。
パーツとランナーを繋いでいるゲートを1度に切るのではなく、ある程度の距離を残してゲートをカットし、残ったゲートを優しくカットすれば白化するリスクを抑えることができます。
ゲートを二度切りする方法
ゲートを残すように、パーツから少し離れた位置を切る。
パーツにニッパーの刃を押し付けるようにして、残りのゲートを優しく切る。
ゲートを二度切りしても白化するという人は、切れ味のいいプラモデル用にニッパーを使用するか、デザインナイフなどで削ぎ切りすれば白化を防ぐことができます。
切れ味のいいニッパーやデザインナイフを用意することは、カッコいいプラモデルを作る第一歩と言っても過言ではありません。
プラモデル作りのコツ その3「ゲート跡にヤスリをかける」
ゲートを優しく二度切りしても白化やゲートが少しパーツに残ってしまいます。
ゲートを切った跡やパーティングラインは、金属ヤスリや紙ヤスリを使って平滑になるようにパーツを削りましょう。
各種ヤスリ(紙ヤスリ、スポンジヤスリ、金属ヤスリ)
ヤスリをかける目安
- 未塗装:400〜1000番以上
- 塗装:250〜800番程度
800番までヤスリをかけたパーツ
1000番までヤスリをかけたパーツ。番手を上げると、ヤスリの傷は目立たなくなっていきます。
プラモデルを塗装すると、サーフェースがヤスリの代わりとなり、細かな傷を埋めてくれます。そのため、未塗装で完成させるより、低い番手でヤスリがけの工程をフィニッシュすることができます。
800番までパーツ表面にヤスリをかけ、ガイアノーツのメカサフでヤスリ跡を埋めたパーツ
未塗装でプラモデルを仕上げるときは、傷が見えなくなるまで番手を番手を上げて丁寧にプラモデルを磨き上げましょう。
STEP.3組み立てる
パーツの整面処理が終わったら、説明書を見ながらパーツを組み立てます。
説明書をよく読み、パーツの向きに気をつけて慎重に組み立てていきましょう。
プラモデル作りのコツ その4「ダボを切る」
プラモデルを組み立てると、パーツの向きの頻繁に間違えます。
最近のプラモデルはパーツ同士の合いがいいので、一度組み立てると離れないということがあります。
ピッタリくっついて離れないパーツを無理に引き剥がそうとすると、プラスティックのダボが折れたり、曲がったりします。
破損しないようにパーツを離すには、組む前にダボピンを短くしたり、ダボ穴を広げたり、組んだ後でもパーツが簡単に外れるように処理を加えておきます。
ダボピンを切っておくと、パーツにかかるテンションが低くなるので、パーツが離れやすくなります。
STEP.4シール類を貼る
組み立てたプラモデルにどこまで手を加えるかは、自分次第です。
付属のシールは貼っても貼らなくてもよし。
塗装してオリジナルのプラモデルを作るもよしです。
オススメは、デカールを追加で貼ることです。
「スジボリを追加したり、ディテールアップしたりすることが苦手」という人でも簡単にプラモデルの情報量を増やすことができます。
各種デカール類(シール、マーキングシール、リアリスティックデカール、水転写デカール)
パーツとシールの段差の少ない水転写デカールがオススメ。
最近はネットで海賊版の水転写デカールが発売されています。海賊版のシールを使うとSNSでの投稿や展示会、コンテストに参加ができなくなるので、デカールを購入する際は正規の販売元の商品を購入しましょう。
プラモデル作りのコツ その5「水転写デカールを貼る」
プラモデルは情報量が増えるとカッコよくなります。
手っ取り早く情報量を増やしたい人にオススメのディテールアップ術です。
デカールには「caution」など、実際のモデルにペイントされていそうな文字や白いラインなどがあります。誰でも簡単に貼り付けられるので、一度お試しに貼ってみることをオススメします。
まとめ
誰でもできるプラモデルの作り方を解説しました。
プラモデルをどこまで作り込むかは、自分次第です。
目標を持って道具を揃えれば、カッコいいプラモデルを誰でも組み立てることができます。
少しずつでもいいので、色々なプラモデルを組み立てながら道具を増やし、理想のプラモデルを組み立てられるようになりましょう。