HGUCジム製作の第4回。延々と続くサフチェック後の修正ループを終えて、ようやくキットの本塗装に移っていきます。
キットの出来栄えを大きく左右する「塗装工程」。一番気の抜けない工程ですが、模型作りで一番楽しく、個性が爆発する工程でもあります。
まずは、立体感を出すための下地を吹きつつ、全体の完成イメージ(色味)を逆算しながら塗装を進めていきたいと思います。



目次
夜の情景を演出する「ネイビーブルー」の下地
まずは、キットに立体感を出すためのベースとなる下地を塗装していきます。
今は傷をチェックするためのサーフェイサーを全体に塗った状態なので、全身が明るいグレーになっています。ここから立体感をより強調するために、グレーより濃い色を塗装して影を作ります。

グラデーション塗装といえば「黒立ち上げ」が定番。ということでブラックを塗りたいところですが、今回は少し工夫します。
旧キットの箱絵風を再現するというコンセプトのもと、キット完成後には台座(ジオラマ)を作ります。その時のシチュエーションが「夜」なので、単純な黒ではなく、夜の闇や空気感をイメージできる影を演出するため、「ネイビーブルー」を下地に塗装します。
使う塗料は、クレオスの『ネイビーブルー』。これをエアブラシで全体にベタ塗りしていきます。HGUCのジムはパーツ数が少ないので、このあたりの作業はサクサク進んで楽ですね。




発色と陰影を両立させる「白立ち上げ」
暗いネイビーブルーの下地が終わったら、次にもう一度「下地」を塗ります。
というのも、暗い下地の上から「赤」や「黄色」をいきなり塗っても、塗料の隠蔽力が低いため思い通りの色に発色してくれないからです。
そのため、思い通りのメインカラーが発色するように、明るい色をネイビーブルーの上に重ねます。今回はガイアノーツの『ピュアホワイト』を使用しました。
この時の最大の注意点は、「パーツの中心からホワイトを塗り重ね、下地のネイビーが見えるようにパーツの端(エッジ)は塗らないこと」です。

こうすることでフチに影の部分が残り、パーツが浮き上がったような重厚な表現ができます。白は塗料の中でも一番隠蔽力が弱いため、ピュアホワイトを塗るとパーツ全体が「白っぽいグレー(中間色)」になります。この状態まで明度を上げることで、赤や黄色などのメインカラーを綺麗に発色させることができるようになります。


各パーツの塗装:ホワイトの外装パーツ
ここからは各パーツの色を塗り分けていきます。まずは、連邦系MSに共通する白の外装パーツからです。
ネイビーブルー → ピュアホワイトと重ね、今は明るいグレーになっています。一見して「重厚感を出すなら、このグレーのままでもいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、組み上げると意外とグレー感が強くなってしまいます。
今回は使い古されたジムを作りたいので、塗装後にウェザリング(汚し)を加える予定です。汚れで全体が暗くなることを想定して、ベースはもう少し「はっきりした白」にしておきたいと思います。
そこで、この上からクレオスの『明灰白色』を塗り、さらにその上から『ガンダムホワイト』を塗り重ねました。境界線の影とパーツ中央の白の差をくっきり分けて塗っていきます。
ガンダムホワイトは少しグレーが入っているので、青みのある落ち着いた白になります。もっとパキッとした白にしたい場合は、普通のホワイトやピュアホワイトを使うと良いと思います。


各パーツの塗装:黄色のパーツ
次は、思った通りに発色してくれないことで有名な「黄色」です。
ピュアホワイトで明るいグレーになったパーツにいきなり黄色を塗っても、当然くすんだ汚い黄色になってしまいます。
なので、白パーツと同じように『明灰白色』を塗って土台を作ります。これでだいぶ発色しやすい状態になったので、ここでクレオスの『ガンダムイエロー』を塗装します。
この塗料、思ったよりも黄色味が強いです。普段はオレンジを混ぜて明度を下げて落ち着かせますが、今回はウェザリングでトーンが落ちるため、あえて薄めずそのまま使います。下地のおかげで思った以上に黄色が綺麗に発色し、アニメ設定に近いカラーが再現できました。

各パーツの塗装:赤いパーツ
最後に、黄色と同じく発色の難敵「赤色」の塗装です。
明るいグレーの状態で赤を塗ると、くすんで濁った色になります。それはそれで重厚感があるとも言えますが、コントロールできていない感が出てしまうので、ここは面倒くさがらずに赤専用の「第3の下地」を作ります。
赤を鮮やかに発色させるためによく使う下地は「ピンク」だと思いますが、ピンクを使うと少しヒロイックで明るくなりすぎ、今回のテーマである重厚感から外れてしまいます。
そこで今回あえて使うのが、クレオスの『キャラクターフレッシュ(2)』(肌色)です!これを使うことで、発色を助けつつも、兵器らしい重厚感のある落ち着いた赤になります。
フレッシュを塗った後、『モンザレッド』を乗せてジム特有の朱色を出します。オレンジを混ぜることも考えましたが、ウェザリングでの明度低下を考慮し、モンザレッド単色で仕上げました。


手・関節・武器類も忘れずに
外装パーツを一通り塗り終えたら、手や関節、武器類も塗っておきます。
これらのパーツは外装より小さく、複雑な形状をしているため、グラデーション塗装がしにくいのが常です。なので、ここは潔くベタ塗りで仕上げます。
使う塗料は、クレオスの『エクストラダークシーグレー』。塗り残しがないよう、隅々までしっかり塗り重ねていきます。

塗装工程、ひとまず終了!
模型製作の最大の山場である基本塗装を一気に仕上げました!ここまでくれば、ほぼ完成したようなもの……と言いたいところですが、実際はまだ全工程の半分ほどです。
この後は、デカール貼りの下準備としてパーツ全体に光沢クリアーを吹き、デカール貼り → スミ入れ → ウェザリングといったデコレーション工程に入っていきます。
模型作りで一番楽しい工程の一つなので、ついついデカールを貼りすぎたり、ウェザリングで汚しすぎたりしてしまいますが、今回は「重厚感」のテーマを見失わないよう、なるべく抑えめで渋く仕上げていきたいと思います。
そろそろ台座(ジオラマ)の構想も具体的に練らないとですね。次回もお楽しみに!
