前回は、HGUC 1/144 ケンプファーを仮組みし、全体のプロポーションを確認したうえで、肩や武装の合わせ目消しを行いました。
第2回となる今回は、いよいよ本格的なプロポーション改修に入ります。
今回の製作テーマは、「スタイリッシュな特務護衛機」。
ケンプファー本来の「無骨な強襲用MS」という魅力を残しつつ、少し現代的でスマートな立ち姿になるように改修していきます。
今回手を加えるのは、主に以下の部分です。
- 太ももの3mm延長
- 太ももカバーの延長
- 肩アーマーの内側寄せ
- 肩アーマー内側への装甲追加
- 肩スパイクの先鋭化(シャープ化)
特に太ももカバーの延長では、思った以上に加工が難しく、いくつかのトラブルにも遭遇しました。
失敗した部分も含めて、実際の製作工程とリカバリー方法を紹介していきます。
それでは、さっそくプロポーション改修に入りましょう!
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目次
1. 太ももの延長工作|3mm延長で脚を長くする
まずは、脚部のプロポーションから改修していきます。
HGUC ケンプファーは元のキットでも十分にカッコいいのですが、大きな胴体に対して太く短めに見える脚部によって、全体的にどっしりとしたシルエットになっています。

これはケンプファーの「強襲用MS」というキャラクター性には合っているのですが、今回目指しているのは、もう少しスマートなスタイルです。
そこで、まずは太ももを3mm延長することにしました。
脚を単純に長くすることで、腰から足先までの比率を変え、全体の立ち姿をすっきりと見せる狙いです。
プラ板を使った太ももの延長方法
今回の延長工作には、1mm厚のプラ板を使用しました。
① 太ももパーツを切断する
まず、太ももパーツの適当な位置をモデリングソー(ノコギリ)で水平に切断します。

このとき重要なのは、できるだけ切断面を水平にすることです。
切断面が斜めになってしまうと、延長後のパーツを整形するときに余計な修正が必要になります。
② 1mmプラ板を3枚挟み込む
切断した太ももの間に、1mm厚のプラ板を3枚重ねて挟み込みます。
これで合計3mmの延長になります。
プラ板を接着するときは、切断面との間に隙間ができないように注意しながら固定します。
③ プラ板を大まかにカットする
接着剤が完全に乾燥したら、太ももの形状に合わせて余分なプラ板をカットします。
ここでのポイントは、最初からギリギリまで切らないこと。
1~2mm程度の余白を残してニッパーで大まかにカットしておくと、その後の削り出しが楽になります。
④ 削り出して形状を整える
余白として残したプラ板を削り込んで、元の太ももパーツと面を合わせていきます。
紙ヤスリだけで削るには少し大変な量なので、今回はまず電動リューターで大まかに削り、その後に金属ヤスリや紙ヤスリで形状を整えました。

大まかな形を電動工具で作り、最後の面出しを手作業で行うことで、作業時間を短縮しています。
2. 太ももカバーの延長|思わぬ3つのトラブル
太もも本体を3mm延長したので、それに合わせて太ももを覆うスラスター付きカバーパーツも延長することにしました。
ところが、このカバーの改修が今回の作業で一番の難所になりました。
結果的にはなんとか形にすることができましたが、途中でいくつかのトラブルが発生しています。
トラブル1:合わせ目消し後にパーツがハマらない
実はこのカバーパーツ、延長工作を行う前にすでに合わせ目消しを終えていました。
通常ならそのまま太ももにはめ込めるはずだったのですが、合わせ目消しのために接着した際、パーツが少し溶けすぎたのか、幅が合わなくなってしまいました。
その結果、太ももにカバーを取り付けることができない状態に。
そこで急遽、カバー側面のラインに沿ってパーツを切断し、2つに分割しました。

分割したことで再び取り付けられるようになりましたが、このままでは隙間が大きく開いています。
太ももの塗装や今後の製作工程との兼ね合いもあるため、最終的な処理は全体の進行を見ながら行うことにしました。
トラブル2:エポキシパテによる延長に失敗
次に、カバーパーツの延長方法を検討します。
カバーパーツは複雑な曲面形状をしているため、最初はエポキシパテ(エポパテ)を使って延長することにしました。
ところが、ここでも問題が発生。
主剤と硬化剤の練り合わせがうまくいかなかったのか、硬化後の強度が十分ではありませんでした。
整形作業を進めていると、パテが折れたり、パーツ本体から剥がれたりしてしまいます。
この状態では綺麗な形状を作るのが難しいため、今回はエポキシパテによる延長を断念し、別の方法で延長することにしました。
トラブル3:プラ板による延長も難しい
そこで、太もも本体と同じくプラ板を使って延長する方法に変更しました。
カバーパーツをモデリングソーで切断し、内側のカバーには3mm分、外側のカバーには思い切って5mm分のプラ板を挟み込みます。
ところが、ここでも新たな問題が発生しました。
曲面で構成されたカバーパーツの形状がうまく噛み合いません。
特に難しかったのが、背面にあるスラスター周辺です。
スラスター部分が斜め方向に大きく張り出しているため、切断したパーツとプラ板の位置関係が微妙にズレてしまいます。
単純に3mm、5mmのプラ板を挟むだけでは、きれいに形状をつなげることができませんでした。
3. 太ももカバーのリカバリー|スラスター部分を分割
このままでは形状を合わせるのが難しいため、さらに加工方法を変更します。
急遽、スラスターが付いているパーツを縦方向に分割しました。
そして、上下のパーツとスラスターの形状が自然につながるように、それぞれの位置を少しずつ調整して接着します。
その際に生じた隙間にはプラ板を挟み込み、全体の辻褄を合わせました。
かなり力技の加工になってしまいましたが、最終的にはなんとか形にすることができました。
その後、電動リューターで余分な部分を大まかに削り、金属ヤスリや紙ヤスリを使って形状を整えています。
ただし、現時点ではまだ完全に面が出ているか分かりません。

最終的にはサーフェイサーを吹いて表面の状態を確認し、必要に応じて紙ヤスリや瞬間接着パテを使って修正する予定です。
このあたりは、実際にサーフェイサーを吹いてみないと分からない部分でもあります。
4. 肩アーマーの改修|内側へ寄せて肩幅を調整
太ももカバーの改修で少し疲れてしまったので、ここで気分転換。
上半身の改修に移ります。
ケンプファーの特徴のひとつが、左右に大きく張り出した肩アーマーです。

この大きな肩アーマーもケンプファーらしさを構成する重要な部分ですが、今回の「スタイリッシュな特務護衛機」というコンセプトで見ると、少し外側に張り出しすぎているように感じました。
そこで今回は、肩アーマーを胴体側へ寄せる改修を行います。
肩幅を少し狭くすることで横方向への広がりを抑え、より引き締まったシルエットを目指します。
肩アーマーの軸を短縮する
作業自体は比較的シンプルです。
胴体と肩アーマーを接続している肩の軸を短く切り、受け側となる肩アーマー側のポリキャップも少し削って短くします。
ただし、ここで重要なのが、軸を切断する前に補強用の穴を開けておくことです。
軸を切る前に真鍮線用の穴を開ける
肩の軸を切断した後から真鍮線用の穴を開けようとすると、中心を正確に出すのが難しくなります。
そのため、今回は先に穴を開けておきます。

- ケガキ針を使って軸の中心にアタリを付けます。
- その印を中心に、最初は0.3mmの極細ピンバイスで下穴を開けます。
- その後、0.5mm、1.0mmと徐々にドリルの径を大きくしていきます。
- 真鍮線がスムーズに通ることを確認したら、肩を内側に寄せたい分だけ軸をカットします。
- 最後に真鍮線を軸に通し、瞬間接着剤でしっかりと固定します。

いきなり大きな穴を開けるのではなく、少しずつ穴を広げることで、軸の中心からズレるのを防ぎます。
これで、肩の接続軸を短縮しながら強度を確保することができました。

5. 肩アーマー内側に装甲を追加
肩の接続軸を短縮することで、肩アーマー自体は胴体側へ寄せることができました。
ただ、実際に組み合わせてみると、個人的にはまだ肩アーマーと胴体の間に少し隙間があるように感じました。
そこで、もう一手加えることにします。
肩アーマーの内側に1mm厚のプラ板を追加して、装甲を延長します。
曲面に合わせてプラ板を曲げる
ケンプファーの肩アーマーは曲面で構成されているため、追加するプラ板もその曲面に沿わせる必要があります。
最初は「0.5mm厚のプラ板の方が曲げやすいのでは?」とも考えました。
しかし、最終的な強度を考えると1mm厚の方が安心です。
そこで、接着剤でしっかりと固定しながら、プラ板を少しずつ曲げて肩アーマーの形状に馴染ませていきました。
接着後は、ニッパーと電動リューターを使って大まかなアウトラインを整形。

最後に紙ヤスリで表面とエッジを整えて、肩アーマーの改修は完了です。
肩アーマーを内側に寄せただけでなく、内側に装甲を追加することで、肩周辺のシルエットもグッと引き締まりました。
6. 肩スパイクの先鋭化(シャープ化)
続いて、ジオン系MS改修の定番ともいえる肩スパイクの先鋭化(シャープ化)を行います。
スパイクの先端を尖らせる方法はいくつかありますが、今回は丸まっている先端を切り飛ばし、強度を確保するために1mm真鍮線を仕込み、そこに3mmプラ棒を継ぎ足して先端を鋭く尖らせる方法を採用しました。
スパイク先鋭化の手順
① スパイクの先端を切断する
丸まっているスパイクの先端を適当な位置で水平に切り落とし、切断面をヤスリで軽く平らに整えます。
② 中心に穴を開ける
整えた断面の中心にケガキ針でアタリを付けます。
その後、極細ピンバイスで下穴を開け、徐々に穴を広げて1mmの真鍮線が入るサイズにします。
③ 3mmプラ棒を加工する
継ぎ足す3mmプラ棒を適当な長さに切り出し、接続面を整えてから、こちらにも1mmの穴を開けます。
④ 真鍮線で補強して接続する
スパイク側とプラ棒側を1mm真鍮線でつなぎ、瞬間接着剤でしっかりと固定します。

真鍮線を芯として使用することで、単純にプラ棒を接着するよりも強度を確保しやすくなります。
⑤ スパイクの形状を整える
接着剤が硬化したら、スパイクの面と自然につながるように周囲を削り込みます。
最後に先端を鋭く尖らせて、肩スパイクのシャープ化は完了です。

スパイクを尖らせるだけでも、肩周辺の印象が変わり、ケンプファーのシルエットがより引き締まって見えるようになりました。
7. 第2回まとめ|プロポーションが少しずつ変化
今回はここまでです。
今回のメインとなったのは、太ももの3mm延長、肩アーマーの内側寄せ、肩スパイクの先鋭化です。
特に太ももカバーの延長では、
- 合わせ目消し後にパーツがハマらない
- エポキシパテによる延長に失敗
- プラ板による延長でも形状合わせに苦戦
と、かなりのトラブルが発生しました。
それでも、パーツを分割したり、プラ板を追加したりしながら、なんとか形にすることができました。
一方、肩周辺は接続軸を短縮して内側に寄せ、内側装甲を追加。さらにスパイクを尖らせたことで、ケンプファーの無骨さを残しながら、よりスマートなプロポーションに近づけることができました。
今回の改修だけでも、少しずつ目指している「スタイリッシュな特務護衛機」のシルエットが見えてきたように感じます。
次回は、機体の印象を大きく左右する「頭部の改修」にも着手する予定です。
ケンプファーらしさを残しつつ、どこまでスマートなシルエットに変えられるのか。
引き続き試行錯誤しながら製作していきます。
次回もお楽しみに!
今回使用した工具・マテリアル
- アルティマオートトルク
- ドリル刃セット
- スピンブレード
- Mr.モデリングソー・ラージ</li>
- フィニッシングペーパー 400番
- 神ヤス 2mm厚 3種類セットA
- マジ・スク
- プラバン 1.0mm厚 B4サイズ (2枚入)
- 1mm真鍮線
- アルフアプロ用耐衝撃
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