こんな人に向けた記事です。
- 丸モールドの彫り方を知りたい
- 時間をかけずに追加したい
- 失敗したら怖い
初心者には難しいと感じることの多いディテールアップ。
その中でも比較的簡単に追加できる丸モールドの彫り方をご紹介します。
丸モールドは、工具さえ揃えれば誰にでも簡単に追加できるディテールアップ法です。
この記事を読めば、丸モールドの追加から失敗したときの対処法まで幅広く対応できるようになります。
初心者が失敗しやすいマイナスモールドの彫り方について解説します。マイナスモールドは工具を揃えて手順を守れば、誰でも失敗せずに追加できるプラモデルのディテールアップ術です。ガンプラの完成度を高める手法の一つとして、ぜひ参考としてください。
丸モールドとは?
丸モールドは、戦車や車のホイール、ガンプラの肘や膝関節に使われる円形・球形のパーツのことです。この他に、円形の凹みを丸モールドと呼び、凹み部分にディテールパーツを貼り付けることで、キットの精密度を高める効果を期待できます。
丸モールドはパーツを円形に彫ったり、円形のパーツを追加したりすることでプラモデルの完成度を高めるディテールアップ法です。
丸モールドの彫り方
プラモデルの工具の中には、丸モールド彫りを得意としている工具があります。プラモデルの工具メーカーのゴッドハンドから発売されている「スピンブレード」と「スピンモールド」です。
以下では、スピンブレードとスピンモールドを使った2種類の丸モールドの彫り方を解説します。
ドリル+スピンブレードで彫る
スピンブレードは、回転させることのできる彫刻刀です。スピンブレードだけで丸モールドを彫ろうとすると、中心点がズレてしまい、円が歪に歪む恐れがあります。
スピンブレードを使用する前にドリル刃であたりをつけ、底面をならすためにスピンブレードを使用します。
スピンブレードで丸モールドを彫る手順
- 中心点を取る
- ドリル刃でパーツを彫る
- スピンブレードで底面を整える
- 表面を整える
STEP1.中心点を取る
ケガキ針やニードルなど先の尖った工具で、丸モールドの中心点を取ります。
正確な位置を取りたい時は、定規で中心点までの距離を測ったり、マスキングテープなどでガイドをつけたりすることが有効です。
STEP2.ドリル刃でパーツを彫る
中心点が取れたら、ピンバイスにドリル刃をセットして、貫通させないように注意しながらパーツを彫ります。
STEP3.スピンブレードで底面を整える
ドリル刃で彫ったV字の底面をスピンブレードで平らにならします。
STEP4.表面を整える
最後に、パーツ表面の毛羽立ちを整えて完成です。
ドリル刃とスピンブレードを組み合わせた丸モールドの彫り方には、慣れが必要です。はじめの内はパーツを貫通させてしまったり、力の入れ過ぎでパーツの端が欠けてしまったりすることがあります。
失敗を避けたい人は、次に紹介するスピンモールドで彫る方法を参考にしてください。
丸モールド彫りに使用した工具(スピンブレード)
ベーシックドリル
スピンブレード
スピンモールドで彫る
スピンモールドは、丸モールドを彫ることに特化した彫刻刀です。刃の中央にセンターガイドがあり、刃の歪みやズレを矯正してくれます。事前にドリルを使う必要がないので、時短効果もある工具になっています。
スピンモールドで丸モールドを彫る手順
- 中心点を取る
- スピンモールドで底面を整える
- 表面を整える
STEP1.正確な位置を取る
スピンブレードと同様に、丸モールドを彫る位置にケガキ針やニードルであたりをつけます。
STEP2.スピンモールドで彫る
ニードルで彫った穴に、スピンモールドのセンターガイドを合わせます。
センターガイドを中心に、ゆっくり時計回りにブレードを回転させて、穴を彫ります。
STEP3.表面を整える
スピンモールドで彫った穴を整えれば、丸モールドの完成です。
スピンモールドで丸モールドを彫ると、事前にドリルで穴を彫る必要がありません。失敗しづらく、作業時間の短縮にもつながるので、週末モデラーなど工作に時間の取れない人におすすめの工具です。
気になるセンターガイドの穴は、塗装すると見えなくなりますし、ディテールアップパーツを置いて隠すこともできます。
丸モールド彫りに使用した工具(スピンモールド)
スピンモールド
ディテールアップパーツで、丸モールドの精密度を上げる
ディテールアップパーツとは、プラモデルの改造に使う素材パーツです。
ガンプラで使えるディテールアップパーツには、以下のような種類があります。
- リベット
- 丸モールド
- 角モールド
- ダクトノズル
- バーニア
ガンプラの改造は、これらのディテールアップパーツを使って精密度を高めていきます。
初心者の方におすすめのディテールアップパーツは、KOTOBUKIYAから発売されているモデリングサポートグッズです。街の模型店や大型家電量販店、インターネットなどでも比較的入手しやすく、安価で手を伸ばしやすい商品となっています。
KOTOBUKIYAから発売されている丸モールド
SF系のメカやロボットに使う丸モールドを紹介します。各パーツのランナーには、丸モールドを彫る際の参考になる「モールドの直径サイズ(mm)」の数値があります。モールドを彫る際は、ランナーの数値に合うスピンブレードやスピンモールドの刃を選んでください。
プラユニット P-107 丸モールド
プラユニット P-114 丸モールドⅡ
プラユニット P-119 丸モールドⅢ
プラユニット P-120 丸モールドⅣ
プラユニット P-129 丸モールドV
ディテールパーツアップを追加する方法
モールドを彫らずにディテールアップパーツを置くと、置いている感や付け足した感が強くなります。パーツを置いている間をなくするためには、ディテールアップパーツを部品の一部として見えるように演出する必要があります。そのため事前に丸モールドを彫ったり、境界線を斜めにカットしたりなどの工作が必要になります。
ディテールアップパーツの追加手順
- 丸モールドを追加する
- モールドの境界線を斜めに加工する
- ディテールアップパーツを貼り付ける
STEO1.丸モールドを追加する
スピンブレードやスピンモールドで、パーツに丸モールドを追加します。
STEO2.モールドの境界線を斜めに加工する
ディテールアップパーツを自然な形で見せるために、モールドの境界線を面取りビットなどの切削工具で斜めにカットします。
こうすることで、彫ったモールドがパーツを追加するために穴を開けているように見えるため、加工したときのわざとらしさがなくなります。
ハイキューパーツ 面取りビット
STEO3.ディテールアップパーツを貼り付ける
追加した丸モールドに、ディテールアップパーツを貼り付けます。
加工したモールドに、ディテールアップパーツを接着剤で貼り付けます。丸モールドは彫るだけでなく、ディテールアップパーツやプラ板を使うことで、さらに精度の高い表現をすることができます。
追加したモールドのがどんな用途を持っているか(パーツのネジや裏打ちなど)をよく考えて追加すると、より自然に精密度の高いキットになります。
ディテールアップパーツを簡単に取り付ける方法
ディテールアップパーツを付けるなら、スピンモールド45がおすすめです。
スピンモールド45は、スピンモールドの両端に角度をつけた彫刻刀です。刃に角度がついているため、モールドを彫った境界線に角度をつけることができ、面取り作業をスキップすることができます。
スピンモールド45
丸モールドの彫り直し
こちらは、丸モールドの位置がズレてディテールアップにした失敗したパーツです。
ディテールアップに失敗した丸モールドは、パテで埋めて消します。
パテで埋める
歪な丸モールドをは、エポキシパテかポリエステルを使って消します。
エポキシパテとポリエステルパテは、ラッカーパテのように硬化時にヒケることの少ないパテです。大きなパーツの凹みを埋めたり、改造したりするときに使います。
この他エポキシパテには、硬化時間が速いという特徴があります。ただし、硬化すると非常に硬くなるため、必要以上に厚くパテを盛ってしまうと掘削に時間を取られることになります。
ポリエステルパテはエポキシパテほど硬化しないため、厚く盛って削るという使い方ができます。厚く盛って使うことが多いため、硬化に1日時間がかかる傾向があります。
それぞれの特徴を理解した上で、パテを使用してください。
エポキシパテで穴を埋める
同量の白い主剤とベージュの硬化剤を切り出します。
切り出したエポキシ樹脂を指で捻りながら混ぜ合わせます。
白い主剤が見えなくなるまで混ぜ合わせます。
失敗したーモルドの穴に、エポキシパテを埋めます。エポキシパテは、接着度の高い樹脂です。樹脂が硬化するまで放置すれば、パーツから離れることはありません。
パテが硬化したのを確認したら、ヤスリで余計なパテを削って修復完了です。
タミヤ エポキシパテ 速硬化タイプ
タミヤ ポリエステルパテ
使用する際は、それぞれの特徴を理解した上で使うようにしてください。
まとめ
ガンプラの簡単ディテールアップ方法として、丸モールドの追加について解説しました。
丸モールドは、マイナスモールドと並んでよく使われるディテールアップ方法の一つで、工具を揃えるだけで簡単に追加できるディテールアップ方法です。
たとえ失敗しても穴をパテやパーツで塞ぐことで、簡単に修復することができます。
失敗することを恐れず、果敢にディテールアップに挑戦してください。
ガンプラは、少しの工夫で精密度や完成度が高くなりますよ。