

Google Analytics(以下、GA)に昔からあったクロスデバイストラッキング機能について解説をします。
と、その前にクロスデバイストラッキングの昔話を少しします。
昔・・・といっても2018年以前のクロスデイバイストラッキングは、「User ID(以下、UID)」という機能を使用していました。
UIDを使用することにより、GAにデータを送信するたびUIDの共にデータもともに送信し、GA側にて複数のデバイス(PCとスマホなど)で発生した別々のセッションで発生した行動をUIDに紐付けることによって、同じUID=同じユーザーの動きをまとめて確認できるというものでした。

・・・あの、よくわかりません。

うむ。
UIDによるクロスデバイス設定は、今は使われていないから、わからなくても大丈夫。

大丈夫なの!?

大丈夫だ。
つまり、以前のクロスデバイス設定はすべてのサイトに利用できるわけではなく、以下のような必須条件が必要だったと言うこと。
- サイトにログイン機能があること
- ユーザー別のユニークIDをGAに渡す実装

この時点で大半のサイトは解析できなくない?

そう。
ということで、2018年に登場したのが「自動クロスデバイストラッキング機能」です。

自動という言葉が期待感をあおるね。
自動クロスデバイストラッキングとは?
自動クロスデバイストラッキングは、先に説明したUIDの実装がなくてもGAの設定を変えるだけで、すべてのサイトでクロスデイバイス計測が可能となりました。
設定方法も簡単で、GAの「管理」から「<>トラッキング情報」→「データ収集」に飛び、画面上部に表示されている「アップグレード」ボタンを押すだけ。
これで「Google signals」設定が「オン」になります。

ちなみに、これは従来のGA(ユニーバサルアナリティクス)の設定方法です。
2020年10月に新しく登場したGA4では、同じように「管理」のプロパティから「データ設定」→「データ収集」をクリックし、「Google シグナルのデータ収集を有効にする」を「オン」にするだけでOKです。


Google signalsというものを「オン」にするとどうなるの?

うむ。
Google signalsをオンにするとGoogleアカウントから収集されたユーザー情報を用いて、自動的にデバイスを跨いでユーザーを識別できるようになります。
つまり、これまではサイトにログインすることで識別していたユーザーをGoogleアカウントのログイン情報を元にユーザーを識別できるようになったということ。

でも、それだとGoogleアカウントにログインしているユーザーのデータしかとれないんじゃないの?

そのとおり。
クロスデバイストラッキングのデメリット
クロスデバイストラッキングは、あくまでもGoogleアカウントのログイン情報を元に、ユーザーを識別しています。
そのため、会社のパソコンでログインしているGoogleアカウントとスマホで使用するGoogleアカウントが異なっていれば、当然同じユーザーであるとGAは識別できません。

完全に個人の行動や特定はできないってことね。

そう。
クロスデバイストラッキングのメリット
とはいっても、自動クロスデバイス機能の登場により、これまでより簡単にデバイスを跨いだユーザーの計測がしやすくなりました。
これにより、ユーザーのカスタマージャーニーをより正確に捕捉できるようになり、また精度の高いクロスデバイスリマーケティング広告が出せるようになります。

また、難しくなってきたね。

このあたりは、また別の機会で。
まとめ
- 自動クロスデバイス機能はGoogle signalsをオンにするだけで、デバイス間のユーザーを計測できる。
- ユニバーサルアナリティクスとGA4では、設定方法が少し違う。
- 自動クロスデバイス機能を使うと、より正確にユーザーの行動を計測できるようになる。