HGUCジム製作|旧キット箱絵を再現するガンプラ⑤ 〜ウェザリングで歴戦の勇姿へ!ついに本体完成編〜

HGUCジム製作|旧キット箱絵を再現するガンプラ⑤ 〜ウェザリングで歴戦の勇姿へ!ついに本体完成編〜

HGUCジム製作の第5回。前回は、ネイビーブルーを使った黒立ち上げから、発色と陰影を両立させるために白を塗装するなど、何かと工程の多いグラデーションによる基本塗装を終えました。

今回は、デカール貼りやスミ入れ、ウェザリングなど、塗装したガンプラに味付けを行っていきます。
ここまで来れば完成まであと少し。作り手のオリジナリティが出やすい工程でもあるので、最後まで気を緩めずに作業に取り掛かっていきます。

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デカール貼りの前に光沢クリアーを吹く

デカールを貼る前に、まずは全体に光沢クリアーを吹いていきます。
塗装を終えた後のパーツの表面は、サーフェイサーや塗料の細かい凹凸がどうしても残ってしまうため、表面がざらついています。
このままデカールを貼ると、デカールとパーツの間に空気が入り、「シルバリング(余白が白く光って浮いて見える現象)」の原因になってしまいます。

なので、まずはパーツ表面を光沢クリアーでツルツルにします。

ここでの注意点は、関節やパーツの接合部分などに光沢クリアーを厚く吹きすぎないこと。
関節のつなぎ目にクリアーを吹き付けると、その部分だけ塗膜が厚くなります。パーツ同士が干渉して関節軸が緩んだり(動かしている間に塗料が剥げて隙間ができる)、逆にパーツの合いがきつくなって可動しにくくなったりします。
そのため、足や腕の関節軸にはなるべく塗料がかからないようにマスキングなどで保護します。

HGジム

HGジム

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光沢クリアーを塗装し終えたら、いよいよデカールを貼っていきます。

デカール貼り

自動車模型やキャンディ塗装をするなら、ここで中研ぎなどをしてパーツの表面をさらにツルツルに仕上げるのですが、今回のジムはウェザリング(汚し)仕様なので、そこまで神経質にはなりません。このままデカールを貼り付けていきます。

情報量はなるべく多くしたくなかったので、肩や胸、足や腕など、パッと目のつきやすいポイントに絞って適度に貼り付けていきます。

使用したデカールは、ハイキューパーツのコーションデカール。
カラーバリエーションが多く、比較的どこの模型店でも手に入れやすい非常に使い勝手の良いデカールです。

スミ入れ

デカール貼りが終わったら、スミ入れです。

今回はこの後ウォッシングをするので、「スミ入れの工程は省略してもいいかな?」と思ったのですが、パネルラインの陰影をより濃く、シャープに出したかったため、念のためタミヤのスミ入れ塗料(ダークグレイ)を使用してスミ入れを行いました。

とは言っても、今回は新たに追加したスジボリはなく、キットに元から入っているスジボリを彫り直しているだけなので、作業量としては少なく済みます。

一通りスミ入れが終わったら、2〜3時間ほど適度に時間を置きます。その後、はみ出した塗料をガイアノーツの「フィニッシュマスター」にエナメル溶剤を染み込ませて、丁寧に拭き取っていきます。

拭き残しがないようにパーツをしっかりチェックして、次の工程にサクサク進みます。

クリアコートの前に、まさかの部分塗装トラブル

ウェザリングをする前に、デカールとスミ入れを保護するため、つや消しクリアーでパーツをコートします。

…が、コートの前に、手首のパーツ周辺をグレーに部分塗装したかったことを思い出しました。手順としては少し前後してしまいますが、ここで部分塗装をします。

白の外装にグレーがかからないようにしっかりマスキングをして、関節や手と同じクレオスの「エクストラダークシーグレー」をエアブラシで塗装。
塗料が乾くのを待って、意気揚々とマスキングテープを外して次の工程に……と思ったら、グレーがガッツリはみ出していました。

HGジム

この終盤での失敗はかなり痛く、正直リカバリーする自信もなかったので「無視してウェザリングで誤魔化すか……」とも考えましたが、思い切ってリカバリーに挑戦することに。

マスキングによるはみ出しにはいくつか修正方法がありますが、ナイフで削り取った跡なら、ウェザリングの「物理的な傷」として誤魔化しやすいと考え、今回は「はみ出した部分をデザインナイフで削り取る(カンナ掛け)」ことにしました。

デザインナイフをパーツ表面にほぼ垂直に立て、刃をパーツに沿わせるように優しくゆっくり動かします。
このとき力はほとんど入れず、ナイフの刃がパーツに当たっているかいないかわからないぐらいの絶妙な力加減で、表面の塗膜だけを削り取っていきます。

一度や二度では綺麗に削り取れないので、削れている部分をしっかり目視しながら、できる限りはみ出した部分を落としていきます。

HGジム

完全にゼロにすることは難しいので、ほんの少し残る程度でリカバリー終了。
ここから先は、予定通りウェザリングで「歴戦の傷跡」として馴染ませていきます!

ウォッシングでパーツ全体の色調を整える

デカールとスミ入れを保護しつつ、この後のウォッシング塗料が適度に引っかかる(定着する)効果も期待しつつ、パーツ全体につや消しクリアーを吹き付けていきます。
クリアー層が厚くなりすぎないよう、薄く3回程度に分けて吹き付けます。

HGジム

HGジム

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表面がマットになったら、まずはMr.ウェザリングカラーの「グランドブラウン」で全体のトーンを落とします。

パーツ全体に塗料をバシャバシャと塗り、乾かします。
完全に乾き切ると拭き取れなくなるので、「半乾き」程度で拭き取るのがセオリーなのですが……作業に疲れて、うっかり一晩放置してしまいました。

HGジム

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翌日、ガチガチに乾いた塗料をエナメル溶剤で拭き取ります。
思っていた以上に塗料が定着してしまっていたため、いつものようにティッシュや綿棒に軽く溶剤を染み込ませて拭き取るだけではビクともしません。急遽、筆に溶剤を含ませて、塗料を溶かしながら拭き取っていく作戦に変更しました。

せっかくの陰影まで拭き取りすぎないように注意しながら、格闘すること約2時間。ようやく理想のトーンでの拭き取りが完了しました。

HGジム

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面相筆による繊細なチッピングとストレーキング

ウォッシングが終わったら、機体に傷やサビを描き込んでいきます。
HGのような1/144スケールの場合、傷が大きすぎると途端におもちゃっぽく(オーバースケールに)なってしまうため、今回はスポンジではなく「極細の面相筆」で、点(ドット)を打つように傷を描き込んでいきます。

タミヤのエナメルのブラックにブラウンを混ぜて、エッジを中心に傷を描き込みます。
エナメル塗料の良いところは、「失敗しても下地を侵さず、溶剤で綺麗に拭き取れる」こと。失敗を恐れず、どんどん描き込んでいきます。

続いて、描き込んだ傷の周りに、タミヤのクリアオレンジでサビのストレーキング(垂れ汚れ)も表現していきます。

……と、意気込んでやってみたものの、筆塗りのコントロールは想像以上に難しく、なんだか不自然な仕上がりに。
「これはスケール感を損なうな」と判断し、結局描き込んだ大半の傷とサビを溶剤で拭き取るという事態に(笑)。

完成写真を見てもほとんど傷やサビは見えない状態になってしまいましたが、「やりすぎに気づいてリセットできる」のもエナメル塗料の強みです。筆塗りでのチッピングは、今後の大きな課題として練習していきたいと思います。

困ったときの救世主!ウェザリングマスター

チッピングとストレーキングでの繊細な表現が難しかった分、全体の泥っぽさや重厚感は、文明の利器「タミヤ ウェザリングマスター」の力を借ります!

ウェザリングマスターは、付属のスポンジでパーツ表面にパウダー状の塗料を擦り付けるだけで、手軽にリアルな泥やサビ、煤などの経年劣化を再現できる魔法のようなツールです。筆塗りでの汚しに苦手意識がある人には、本当に心強い味方です。

今回はコンクリートの基地内という設定に合わせて、Aセットの「マッド(泥)」を足元を中心に擦り付けていきます。
エナメル塗料の筆塗りではなかなか表現できなかった「面に付着した汚れ」も、これなら直感的に表現できます。

技術の向上にはもちろん練習が必要ですが、「今すぐなんとかしたい時は、便利な工具の力に頼る」のも、模型を楽しく完成させるための立派な手段です。

こちらもオーバースケールにならないよう、足元にポンポンと少し擦り付けて汚しは終了。

HGジム

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最後に、全体のツヤを整えつつ汚しを定着させるために、つや消しクリアーで全体をコートします。
ここでの最大の注意点は、せっかく乗せたウェザリングマスターのパウダーが風圧で吹き飛んでしまわないようにすること。
エアブラシの圧を弱めにして、パウダーをつけた足回りは特に慎重に、遠くからフワッとクリアーを乗せてコーティングしていきます。

完成!HGUCジム

塗装したパーツを2〜3日ほどしっかり乾燥させてから、いよいよキットを組み上げていきます。

ということで、HGUCジム、ついに本体完成です!

HGジム

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今回は「情景台座によるディスプレイ」が最終目標だったため、キット自体のプロポーション変更などの加工は最低限にとどめました。手を加えたのは、脚部とアンクルガードを少し太くしたことくらいです。

首や脚の延長といった今風のスタイリッシュな改修をしていないため、思った以上に「ずんぐりむっくりした鈍重なジム」になりました。
しかし、これこそが今回目指した「旧キットの箱絵」の匂いを感じさせる最高のシルエット!黒立ち上げの重厚な塗装と相まって、大満足の仕上がりになりました。

詳細な完成レビューや様々な角度からの写真は、台座が完成した後に改めてお披露目したいと思います。

次からは、いよいよ台座作り編です。
本格的な情景(ジオラマ)台座を作るのは初めてなので、うまくできるか全くわかりませんが……新たな扉を開いて、模型製作の次のステップへ進みたいと思います!