マスキング

エアブラシでパーツを塗り分けるには、マスキングが必要。

しかし塗り分けする場所によっては、塗料がはみ出したり、塗り分けラインが毛羽立ったりなど意外と難しいもの。

ここでは初心者がつまづきやすい複雑な形状への対応からマスキングで失敗しないためのポイントを5つ紹介します。

オススメのマスキングテープ

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マスク材の種類と使用する道具

マスキング

まずは、マスキングで使用する主な道具を紹介します。

マスキングで使用する道具

  • マスキングテープ
  • マスキングゾル

それぞれの特徴を簡単に紹介します。

マスキングテープ

マスキングテープ

養生テープともいわれるマスキングテープは、塗装するところ以外を汚さないようにするための保護テープです。剥がしやすく糊の跡が残らないのが特徴。

各模型メーカーから発売されているマスキングテープ。

もっとも手に入れやすいのは、タミヤのマスキングテープ。模型店や大型家電量販店の模型コーナーには必ず置いてあります。もちろんAmaonなどのネットでも購入可。

タミヤのマスキングテープは、1mm〜18mm、40mmなど様々な太さが用意されています。

マスキングテープは、太ければ太いほど一枚で覆い隠せる面積が広くなり作業効率がアップします。ただし、追従性が悪くなる(曲面のマスキングが苦手)ので、用途に合わせた使い分けが必要です。

マスキングゾル

マスキングゾル

マスキングゾルは、ゴムやビニールを液状にしたマスキング剤
こちらも用途や特質を知った上での使い分けが必要です。

ゴム系とビニール系のマスキングゾルの違い

ゴム系マスキングゾル
ビニール系マスキングゾル
  • 粘土が低い
  • 視認性が高い
  • 剥がしやすい
  • 境目が綺麗に仕上がりにくい
  • 乾燥後の柔軟性が無い
  • 視認性の悪いものが多い(半透明)
  • 乾燥後にカットする
  • 境目が綺麗に仕上がりやすい

マスキングゾルは、主にマスキングテープが苦手としている曲面のカーブなどの対応に向いています。この他、マスキングテープの隙間を埋める保護膜としても使用します。

マスキングテープを上手に貼るコツ

マスキング

隙間なく上手に貼れたと思っても、ズレたりはみ出したりするマスキング

以下では、マスキングを貼る上で知っておくべき基礎知識を紹介します。

マスキングを上手に貼るための基礎知識

  • マスキングテープは境界線から貼る
  • 境界線上のマスキングは1枚で貼り切る

マスキングテープは、まず目安となる境界線を引くところから始めます。

境界線を決めないままマスキングすると、テープや時間が無駄になったり、先に貼ったテープが境界線を越えたりしてしまいます。

また、マスキングテープで境界線を作るときは、なるべく少ない枚数(一枚)で貼ることをオススメします。

マスキングテープを重ねると隙間が生まれ、塗料のはみ出しの原因になります。

マスキングテープのコツは、大きめのマスキングテープ一枚で貼り切ることです。

複雑なラインや曲面など一枚で貼りきれない箇所にマスキングをするときは、パーツをテープで覆い塗り分けしたい境界線に沿ってナイフで切れ目を入れます。

こうすることで、一枚でマスキング作業を完了させることができます。

ただし、テープを貼ってからナイフで切る方法は、ナイフで塗膜を傷つける可能性もあります。

上記の方法を試すときは、境界線に予めスジボリを彫るなど事前準備が必要です。

マスキングで失敗しない5つのポイント

マスキングには失敗はつきもの。
とは言え、あまりリタッチしたくありませんよね。

最後に、マスキングで失敗しないコツを5つ紹介します。

マスキングで失敗しない方法

  • ナイフは新しい刃を使う
  • マスキングテープの両端をカット
  • 塗装前に再度テープを押さえる
  • 下地の塗料が乾いてからテープを貼る
  • 8割程度乾いてから剥がす

デザインナイフの刃を新しくする

マスキングテープが毛羽たちして、境界線がキレイな真っ直ぐにならないという失敗があります。

マスキングテープの毛羽立ち原因は、ナイフの切れ味です。

一見するとキレイにカットされているマスキングテープも、よく見ると毛羽立っていることがあります。

目に見えない毛羽立ちを抑えるには、デザインナイフの刃を新しい刃に変えてマスキングテープを切るのがオススメです。

マスキングテープの両端をカット

マスキングテープを道具箱に保管しておくと、テープの両端が擦れて毛羽立ったり、ヨレたりします。

こうした毛羽立ちとヨレもマスキング時の失敗につながります。

マスキングするときはテープの両端をカットしてから使うようにしましょう。

塗装前に再度テープを押さえる

剥がしやすいマスキングテープは、塗装するときには浮いていることがあります。

テープの隙間に塗料が入り込まないように、塗装するときにはテープを再度楊枝など先端の尖ったもの押さえるなど注意が必要です。

下地の塗料が乾いてからマスキングテープを貼る

マスキングテープを剥がすと塗料も一緒に剥がれることがあります。

これは中まで乾いていない塗料が、マスキングテープの粘着力でテープと一緒に剥がれるというトラブルです。

マスキングは塗装から1〜2日後など、塗料が中まで乾いてから行うようにしましょう。

8割程度乾いてから剥がす

マスキングテープは、塗装後すぐに剥がすと塗装したばかりの塗料も一緒に剥がれることがあります。

また、乾き切った塗料も場合によっては剥がれることもあるので、8割程度乾いた段階でマスキングテープを剥がすとテープだけキレイに剥がすことができます。

模型作りは焦るとロクなことにならないので、時間をかけてゆっくり落ち着いて作業しましょう。

はみ出した時の対処法(リタッチ)

塗料がはみ出したり、塗装できていなかったりした場合は、筆塗りでリタッチします。

はみ出した塗料をヤスリで削ることもできますが、塗膜が薄いと下地まで削ってしまうこともあるので、初心者はリタッチで修復することをオススメします。

はみ出した部分を筆塗りでリタッチするときは、塗料皿2枚に塗料と薄め液を少量ずつ出し筆先の塗料の濃度を調整しながら塗り重ねます。薄め液が多すぎると下地の塗料が溶けるので注意。

まとめ

マスキングテープの上手な貼り方について解説しました。

マスキングテープは、一枚で貼り切ると失敗するリスクが下がります。ただし、ナイフで切れ目を入れるときはパーツに傷をつけないよう注意が必要です。

複雑なラインや曲面にマスキングテープを貼るときは、マスキングゾルなどテープ以外の材料も検討すると作業が楽になります。

失敗がつきもののマスキング作業は、事前準備をしっかり行えばトラブルを回避することができます。

失敗しても何度もやり直しできるので、恐れずどんどんチャレンジしていきましょう。