ヤスリ各種

この記事で解決できるお悩み

  1. どれを選んだらいいのかわからない
  2. ヤスリがけで失敗する
  3. 面出しが出来ない

プラモデルの仕上がりにこだわるなら、ヤスリがけは必須の工程です。

しかし、ヤスリがけを苦手とするモデラーはたくさんいます。
実は、僕もその一人。

ヤスリがけは、選ぶヤスリの種類や使い方を間違えただけで失敗につながります。

ヤスリで変わったパーツの形や付いた傷は、すぐには元に戻りません。
失敗しやすいヤスリがけ。できるだけ失敗したくありませんよね。

そんなモデラーのために、この記事ではヤスリがけの基礎として、ヤスリの選び方から使い方について解説します。

ヤスリがけをマスターすると、仕上がりだけでなくパーツの面出しやプラ板の加工などもできるようになり、創作の幅が広がります。

ヤスリがけをマスターして、ワンラン上のプラモデルを作れるようになりましょう。

オススメのヤスリ

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ヤスリの役割

プラモデルのヤスリがけは、以下のような目的で行います。

  • パーツの傷を消す
  • パーツの形を整える

使用するタイミングやヤスリをかける面を見極めながらヤスリを変えることで、プラモデルは理想に近い形に仕上がります。

パーツの傷を消す

800番までヤスリをかけたパーツ

ヤスリがけをする第一の目的は、パーツについた細かな傷や製作工程の痕跡(ゲート跡・合わせ目など)を消すことです。

ヤスリで消す傷や製作の痕跡例

  • はみ出したスジボリの傷
  • 金属ヤスリの傷跡
  • ゲート跡
  • 合わせ目

こうした傷をヤスリを使ってキレイに消すことが、プラモデルの仕上げを良くする第一歩になります。

パーツの形を整える

パーツのヒケ

プラモデルは成形上や材質の理由から、パーツの形状や面を整形することがあります。

整形の必要な箇所

  • パーティングライン
  • バンダイエッジ
  • ヒケ処理

プラモデルのパーツは、必ずしも整形しないといけないわけではありません。

気になり出したら手を加える程度の意識で、ヤスリをかける判断をしましょう。

ヤスリの種類

ヤスリ各種

模型用に使用するヤスリは4つ

  • 紙やすり
  • 当て木付のヤスリ
  • スポンジヤスリ
  • 金属ヤスリ

それぞれの特徴と使い方を解説します。

紙ヤスリ

紙ヤスリ

模型用途で使用するヤスリ(サンドペーパー)は、水をつけながら使う「耐水ペーパー」が一般的。シート(紙)上の製品を適当な大きさに切って使えるため、パーツの大きさや形状に合わせてヤスリがけすることができます。

水をつけながらヤスる「水研ぎ」ができるため、研磨力は長持ちしやすく、削りカスも取れやすいのが特徴。
ヤスリの番手を上げれば、パーツの傷は見えなくなります。

主に使用する番手は、400番から800番。成形色で仕上げる場合は、1,000番までヤスリをかければ、傷は気にならなくなります。

紙ヤスリの使い方

  1. ペーパーに水分をつける
  2. 不要な突起や段差を削る
  3. ペーパーの傷を消す

STEP1.ペーパーに水分をつける

水研ぎ

まずは、パーツを水研ぎするためペーパーに水分を含ませます。

耐水ペーパーは、水をつけない「空研ぎ」よりも水を含ませる「水研ぎ」の方が、ペーパーの目詰まりや傷、削りカスが舞うのを抑える効果があります。

手軽さで空研ぎすることもありますが、目詰まりのしやすいパテの切削や1,000番以上の磨き段階では水研ぎが断然オススメ

サンドペーパーは適当なサイズにカットして折りたたんで使うこともできますが、プラバンや弾力性のある消しゴムなどに巻いて使うのが基本。当て木に巻くことで、削る部分にしっかりヤスリが当たるので、目的に沿った形状になります。

当て木に使う素材は、硬くて開いものなら何でもOK。
削る箇所に合わせて、丸い棒や金属の板に貼り付けて使うこともあります。

STEP2.不要な突起や段差を削る

ゲート跡

ペーパーの準備が整ったら、まずはパーティングラインやゲート跡のような不要な突起や段差をならしていきます。

一段高くなっている部分(面)を荒目のペーパー(400番程度)を使って削ります。
このとき、ヤスリでつく傷は気にしないで、まずは形を整えることを優先して、ガシガシとパーツを削りましょう。

ヤスリで削る

紙ヤスリの利点はどの方向に動かしても削れることですが、パーツは押して削るのが基本
面の広い箇所は大きく、小さい部分は小刻み動かすと削りやすくなります。

STEP3.ペーパーの傷を消す

ヤスリ傷を消す

段差がなくなったら、パーツの傷を消す工程に移ります。。

目の細かい(800番以上)を使って、パーツ表面を磨くようにペーパーがけします。

パーツ各面の形状を崩さないように、ペーパーには力をかけず、やさしく前後左右・円運動をしながらパーツを磨いて傷を目立たなくします。

当て木付きヤスリ

当て木付ヤスリ

当て木付ヤスリとは、紙ヤスリを模型用に手頃な大きさの当て木に巻いて貼り付けたりしたもの。

各模型メーカーから販売されているものやプラ板で自作することもできます。

使い方は先述の紙ヤスリと同じ。
切削する面に合わせた当て木を使い、荒目のペーパーでパーツを削り、細目のペーパーでパーツを磨き上げます。

平面のエッジを出したい時に使うのが一般的
平面を出しやすいように、硬く持ちやすいサイズのものがオススメ

ちなみに、平面やエッジを出したいときは当て木のフチを刃物用に立てて使うと、面の中央の高低差を修正しやすくなります。

スポンジヤスリ

スポンジヤスリ

スポンジヤスリは、スポンジの表面がヤスリ状になっているもの。

パーツの曲面に追従するようにヤスリを曲げながら使えるのが特徴で、ガンプラのジオン系のMSや大砲、バズーカーなどの武器類の整形によく使用します。

金属ヤスリ

金属ヤスリ

細かな場所や硬いパテの切削、パーツの面出しをするときに使用するのが金属ヤスリ。

硬い金属の表面がヤスリ状になっているため、力を入れなくてもザクザクとプラが削れます。

金属ヤスリは荒目のものが多く、整形後はペーパーがけを行いヤスリの傷を消す必要があります。

【用途別】ヤスリの選び方と使い方

ヤスリは、削りたいパーツの面(大きさ・形)に合わせて選ぶのが一般的

凹凸のあるパーツは、パーツに合わせて形を変えられる紙やすりか小型の金属ヤスリがオススメ
曲面や丸みのあるパーツは、パーツの表面にしっかりヤスリを当てられるスポンジヤスリを使います。

「バンダイエッジを消して面出ししたい」など、整形上の理由でヤスリを使うときは金属ヤスリか平面の当て木をつけた紙ヤスリを使いましょう。

【種類別】ヤスリのオススメ商品

模型用ヤスリの代表的な商品をご紹介します。

紙ヤスリ

フィニッシングペーパー

模型用の耐水ペーパーの中でも高品質で安価、かつ手に入りやすいのが、タミヤのフィニッシングペーパー
目詰まりしにくく、台紙も柔らかいのが特徴。

荒目セット(180番〜320番)や細目セット(400番〜1000番)、仕上げセット(1200番〜2000番)のほか、単品販売もしています。

当て木付ヤスリ

マジックヤスリ

商品展開が多い当て木付ヤスリ。

Yoshinoriや岡式ヤスリなどの硬いプラスティックにヤスリを貼り付けたものから、細かく切ることのできるプレート状のものまで、いろいろなタイプのものが用意されています。

オススメは、スジボリ堂のマジックヤスリ

当て木とヤスリの裏側にマジックテープがついており、交換もしやすく、洗えば切削力が復活する優れものです。

他のヤスリに比べると少し高価かもしれませんが、何度でも洗って使えるので長い目で見ればコストの良さがわかります。

スポンジヤスリ

紙ヤスリ

スポンジヤスリの代表格が、ゴッドハンドから発売されている神ヤス
スポンジの厚さを用途に合わせて変えることができます。

価格や手に入りやすいのはタミヤのスポンジヤスリですが、用途を絞るなら神ヤス一択です。

金属ヤスリ

微々鬼斬 平

当て木付ヤスリ以上に商品展開の多い金属ヤスリ。
金属の形状や大きさで商品を選びます。

オススメは、スジボリ堂の微美鬼斬 平

切削力も高く、手元をコントロールしやすいヤスリです。

金属ヤスリは、切削力の高さから余計な傷を作りヤスリのが難点
スジボリ堂の微美鬼斬 平は、小さいので手元が狂いにくく、力を入れずにプラを優しく削ることができます。

まとめ

プラモデル製作に必須のヤスリの選び方と使い方について解説しました。

ヤスリの種類は、使う目的や場所によって変わります。

パーツの大きさや削る場所を見極めて、適切なヤスリを選んで使いこなせるようになると、完成時の仕上がりが変わります。

慣れるまで何回も失敗するかもしれませんが、プラモデルはいつでも・どんな失敗もリカバリーできます。

恐れず新しいことにチャレンジして、自分好みのプラモデルを作れるようになりましょう。