

株の買い時っていつですか?買うのに一番良いタイミングがわかりません。
こんな人のための記事です。
相場の格言に、

Sell in May(5月に株を売って、秋(9月)に戻っておいで。
という、言葉があります。
論理的的な根拠はありませんが、よく当たる相場の経験則から生まれた言葉(アノマリー)で、投資の上級者や機関投資家はみんな知っています。
今回の記事では、
- 株はいつ買ったらいいのか?
- そして、いつ売るのがいいのか?
について、投資の良書「アノマリー投資」で紹介されている月毎の株価の周期パターンをご紹介します。

みんなが知っている株価の周期パターンを知ることで、株価の売買の判断基準をつくることができます。
アノマリー投資とは?
アノマリーとは、経験的に観測できるマーケットの規則性のことです。
現代の株式投資の王道は、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析です。
しかし、論理や理屈だけでは説明できない事象も多く発生しており、「根拠はないけど、よく当たる」という意味で、株式相場のアノマリーは知っておいて損はない法則性として有名です。
月別アノマリー
1月
1月は年末にポジションを解消した機関投資家が買い戻しに入るケースが多く、中旬あたりまでは株価が上昇しやすい傾向にあります。
過去41年間を振り返ると、ナスダックの上昇率は1月が最も高く、ハイテク株が上昇する傾向にあります。
また1月の終わりに近づくと小型株が上がりやすい相場となります。
1年間のS&P500の値動きを見ると1月の動きに似る傾向にあるらしく、1月に相場が上がっている年のS&P500は大体上昇する傾向にあります。
また1月は、11月からはじまる最高の3ヶ月が終了する月でもあります。
そのため、株価の調整が入る2月に向けて注意も必要となります。
2月
米国企業の決算発表が続く2月は、上がりすぎた株価の調整が入る月です。
1950年以降、1月にS&P500が2%上昇すると70%の確率で調整が入ると言われています。
ちなみに、2021年1月は4%も上昇したため、その反動を気にしてか株式市場の取引はかなり少なくなりました。
2月はとにかく弱気相場になるので、初心者は仕込むより静観することをおすすめします。
3月
米国では第1四半期の終了に伴い、ウォール街でポートフォリオの調整が盛んに行われます。
そのため、月初めに押し上げられた株価は、月末に向けて下がる傾向にあります。
4月
日本では新年度を迎えるこの時期は、米国でも株価が上がりやすい月と言われています。
1950年以降、NYダウが1年を通して最も上昇する月です。
S&P500とラッセルは2番目です。
過去63年間の統計によると、4月に利益を確定して守りの体制に移ることが賢明と言われています。
アノマリー投資のセオリーでは、株式市場が最も盛り上がる11月〜1月に購入した株を4・5月に売ると良いといわれています。
5月
Sell in Mayの言葉通り、5月は油断のならない時期です。
相場の上がりやすい4月を終えると、株式市場は夏場に向けて下がります。
NYダウやS&P500にとっては、最悪の6ヶ月の始まりの月です。
5月に株を売って、離れた方が良いかもしれません。
6月
NYダウの下落するが多い6月ですが、ナスダックとラッセルは相場をあげています。
しかし、上昇が起きてもその相場は長続きしません。
短期投資をするときはご注意ください。
7月
夏の枯れ場がはじまる7月は、ナスダック最悪の4ヶ月はじまる月でもあります。
1971年以降、ナスダックは平均0.02%しか上昇をしていません。
ちなみに、NYダウは1.2%、S&P500は0.9%の平均上昇率となっています。
7月は年金基金から新たな資金が入ってくるため、大きく相場が動くこともありますが、6〜7月は相場を離れていても良いトレードを逃す機会はあまりありません。
8月
ひどい売り込みがされる8月は、NYダウの平均パフォーマンスが最下位になる月です。
休暇を取る人も多く、閑散相場になりやすいのが特徴です。
特にトレーダーがウォール街を脱出する月末は相場を下げやすく、日本ではジブリアニメが金曜日に放送されると翌週の月曜日に相場が下がるなどのアノマリー効果も確認されています。
9月
9月は、1年の内でもっとも最悪の月と言われるほど評判の悪い月です。
第3四半期が近いため、機関投資がリバランスをする時期でもあり、株の売りが出やすい月でもあります。
1999年から2002年は4年連続でひどい下落相場となりました。
10月
9月に続いて10月も株価の下がりやすい月と言われています。
過去には、1929年の世界恐慌(10月29日)や1987年のブラックマンデー(10月19日)、2008年のリーマンショックでは10月28日に日経平均株価が一時6,000円の安値をつけました。
相場は大きく動きますが、弱気相場に終止符を打ち、トレンド転換しやすい月でもあるため、株を買うには1年で最も相応しい月とも言われています。
過去62年間に株を買う絶好の機会は、8月、9月、10月の相場の下がりやすいこれらの月にあらわれています。
11月
11月〜1月は、最も相場にとって最も良いと言われる3ヶ月です。
株価が上昇しやすく、1年の内で3ヶ月しか投資をしないのであれば、この月が最適な月と言われています。
反対に、この月に上昇しない株には注意が必要です。
12月
S&P500の年間パフォーマンスで最も高いのが12月です。
サンタクロースラリーとも呼ばれ、12月に相場が急落することはあまりありません。
9日シーズンでプロのトレーダーや証券会社が活況となり、買いに傾きやすい特徴があります。
補足
月毎のアノマリー以外には、以下のようなものがあります。
- 金曜日に株は売るな
- 1990年以降NYダウにとって一貫して強気なのは、月曜日と火曜日
- 週の始まりと終わりに相場が弱ければ、人々の自信が揺らいでいる証拠
- 強気相場ではさらに強くなる
- MACDでトレンドを見るのは正解
論理的根拠はありませんが、過去を振り返ると頷けるアノマリーです。
まとめ
論理的根拠はないがよく当たる「アノマリー投資」について解説をしました。
株式市場にとって最もいい季節は、11月から4月の6ヶ月間です。
※2月のみ弱気相場なので注意が必要。
リスクを減らして毎年利益を増やしたいのであれば、10月〜11月に株を買って、4月〜5月に売れば大体儲けることができます。
毎年同じようなリターンが返ってくるわけではありませんが、アノマリー投資は投資に関係する人たちみんなが知っているルールを知っておくということが大切です。
みんながこの月はこうなると意識して投資をしているので、自然と株価もそれと似たような動きをします。
株式市場は情報戦です。
勝つための情報を他の人より少し多く掴むことで、儲けを大きくすることができます。
参考になれば幸いです。