【VTI徹底解説】1本で米国に丸ごと投資ができる優良ETF!楽天VTIとの比較あり!

こんな人におすすめ

  1. VTIへの投資を考えている
  2. 楽天VTIとどちらがいいか検討している
  3. 海外ETFの税金の仕組みを知りたい
YoshinoriYoshinori

今回の記事では、投資の神様ウォーレン・バフェットがおすすめするVOOと並び、世界的に人気の高い米国ETFのVTIについて解説します。

VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)とは?

VTIは、アメリカに本社を置く世界最大規模の資産運用会社バンガード社により運営されているETF(上場投資信託)です。

その指標は、CRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動した値動きになることを目指して運用されています。

CRSP US(Center for Research in Security Prices:シカゴ大学証券価格調査センター)トータル・マーケット・インデックスとは?

シカゴ大学ブース・ビジネス・スクールが所有する11の研究センターの1であるCRSP社とバンガード社が協力して開発した新しいインデックスシリーズです。

VTIとCRSP USトータル・マーケット・インデックスの特徴

CRSP US トータル・マーケット・インデックスを採用しているVTIの特徴は、米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%カバーしていることです。

そのため、VTIに投資するだけで米国株式市場の約4,000銘柄に分散投資できることになります。

VTIと代表的な指数の違い

指数CRSP
USトータル・マーケット・インデックス
NYダウS&P500
発表年2011年1896年1957年
発表会社シカゴ大学証券価格調査センターダウ・ジョーンズ社S&P500
ダウ・ジョーンズ・インデックス社
銘柄数約4,00030社500社
算出方法時価総額過重指数株価平均型株価指数時価総額過重指数
指数の特徴米国株式市場の大型株から小型株までを網羅し、
投資可能銘柄のほぼ100%をカバー
米国経済を代表する30社銘柄で構成米国の取引所(NY証券取引所、NSDAQなど)に
上場している大乗的な500銘柄
上異業種情報技術、ヘルスケア、金融情報技術、資本財、ヘルスケア情報技術、ヘルスケア、金融
上位銘柄マイクロソフト、アップル、アマゾンアップル、ユナイテッド・ヘルス・グループ、
ホーム・デポ
マイクロソフト、アップル、アマゾン
代表的なETFVTIDIAVOO、IVV

VTIが目標にしているCRSPは、NYダウやS&P500に比べれば、比較的新しい指数です。

これら指数の最大の違いは銘柄数の差で、VTIは大企業だけでなく中小企業も合わせた約4,000社に分散投資をしています。

そのため、大企業だけでなく中小企業の成長にも投資をしたい人に、VTIはおすすめです。

VTIの構成銘柄(上位10社)

銘柄ティッカー構成比

アップル

AAPL

5.127%

マイクロソフト

MSFT

4.689%

アマゾン

AMZN

3.956%

フェイスブック

FB

1.936%

アルファベット クラスA

GOOGL

1.486%

アルファベット クラスC

GOOG

1.406%

バークシャー ハサウェイ

BRK.B

1.153%

ジョンソン&ジョンソン

JNJ

1.104%

プロクター&ギャンブル

PG

1.043%

Visa(ビザ)

V

0.933%

構成銘柄は、VOOなどと同じくGAFAMが中心です。

VTIのセクター別構成比

(2020年10月31日)
セクター割合

テクノロジー

26.5%

一般消費財

16.3%

ヘルスケア

14.0%

資本財

13.3%

金融

10.1%

生活必需品

5.5%

不動産

3.5%

電気通信

3.4%

公益

3.4%

素材

2.0%

エネルギー

2.0%

米国経済の強さの秘訣である情報技術とヘルスケアの割合が高いです。

コロナ前では金融の割合も高かったのですが、現在は金融の割合が少し下がり、一般消費財の割合が少し上がっています。

コロナ禍での自粛により自宅で生活する機会が増えたため、銘柄の入れ替えが行われています。

VTIの株価の推移

2020年はコロナショックにより一時的に暴落していますが、それ以外はおおよそ綺麗な右肩上がりのグラフです。

代表的なETFの配当利回りと経費比率、トータルリターンを比較

米国ETF配当利回り経費率トータルリターン(5年)

VTI

1.47%

0.03%

13.45%

DIA

2.68%

0.16%

12.94%

VOO

1.60%

0.03%

13.43%

QQQ

0.53%

0.20%

21.53%

VYM

3.21%

0.06%

8.62%

SPYD

3.32%

0.07%

6.05%

VTIはVYMやSPYDなど高配当ETFに比べると配当利回りは劣りますが、経費率の低さとトータルリターンはVOOと並び圧倒的な結果を残しています。

コロナにより注目が集まったハイテク株を集めたETFであるQQQは、VTIに比べるとトータルリターンこそ圧倒的に上回っていますが、配当利回りの低さと経費率を考えると長期投資ではなく、短期投資向けのETFであることがわかります。

短期投資をしたい人は、VTIではなくQQQの方がリターンの高いケースがある可能性もあります。

VTIと楽天VTIの比較

比較ポイントVTI楽天VTI
信託報酬経費率0.03%経費率0.162%
二重課税調整制度 対象外対象
現地課税分配金に対して10%の現地税がかかる。
しかし、外国税額控除によって一部は後から取り戻すことが可能
自動的に控除される
課税繰延 分配金に対して、約20%の課税ファンド内で再投資されるため、課税を繰延できる
ポイント還元なし楽天証券と楽天銀行を連携させることでポイント還元される

経費率の低さが、楽天VTIに比べて際立っています。

VTIと楽天VTIを比べた際にこれと同様に注目すべき点は、現地課税と課税繰延です。

海外ETFのVTIを買付する投資信託の楽天VTIは、VTIとトータルリターンではほぼ変わりがりません。

そのため、どちらに投資をすれば良いのかを考えた場合、手数料や経費などの運用方法とコストによる違いで判断する必要があります

楽天VTIとは?

楽天・全米株式インデックス・マザーファンドを通じて、VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)に投資する投資信託です。

指標は、VTIと同じくCRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目指しています。

楽天VTIとどちらが儲かる?

二重課税は確定申告で取り戻すと仮定した場合、ポイントは課税繰延とポイント換算です。

短期間では、経費率が圧倒的に低いVTIの方が有利です。

しかし、長期期間の保有と金額を考えた場合、分配金に対する課税繰延20%の差が大きく、ポイントを全て投資に回した場合の影響もバカにできません。

結論から言うと、楽天VTIの方がトータルリターンは高く出るらしいのですが、詳しくは下記ブログを参考ください。

【参考ブログ】驚愕の真実!本家VTIより楽天VTIの方が儲かる!!

おすすめの投資方法!

このように2つのファンドを比べた際のトータルリターンは、楽天VTIの方が儲かる可能性はありますが、投資先はこの2つだけではないのでトータルリターンをこの2つだけで考えるのは機械の損失を招く可能性があります。

そこで自分の投資スタイルを考えて、VTIと楽天VTIをどのように活用すれば良いのか解説をします。

配当金を自由に使いたい場合はVTI

分配金を繰延するのではなく、他で使用することでリターンを考えたい場合はVTIの方が有利です。

その際、分配金や売却益に対して税金がかからないNISA枠を併用しながら、投資をすることをおすすめします。

長期投資は楽天VTI

小額から資産運用を始めたい人は、つみたてNISAで楽天VTIに投資を始めることをおすすめします。

つみたてNISAは年間40万円の上限金額こそありますが、老後資金を作る上で欠かせない制度です。

つみたてNISAの枠を超えてつみたて投資をしたい場合は、特定口座で追加で楽天VTIに投資することが可能です。しかし、つみたてNISAと特定口座の投資額は合算ができないので注意が必要です。

海外ETFの税金と為替リスクについて

米国株に限らず、外国株式や海外ETFに投資する際に注意が必要なのは、税金の二重課税です。

二重課税とは?

外国株式や海外ETFでは、投資信託と同じように売却益に対する約20.315%の税金の他に、分配金に対して現地の税金10%を納める必要があります。

※海外株式の売却益は、租税条約により原則課税はされません

この二重課税によって支払った税金を一部取り戻すためには、確定申告を行う必要があります。

長期間保有する場合や分配金の額が大きい投資家は、必ず確定申告を行うようにしましょう。

ちなみに、税制改正によって、楽天VTIのような投資信託を経由して購入した海外株式は二重課税調整制度により自動的に控除されるようになりました。

VTIを1本投資するだけで大丈夫?

VTIは約4,000銘柄の米国株式に投資できるため、投資家の中にはこれ1本だけの投資でも大丈夫という理論をお持ちの方がいます。

銀行預金するだけではもったいないので、とりあえずお金を市場に置いておきたい人は、VTIを1本だけ運用するのもアリかと思います。

しかし、暴落時のリスク回避やリターンによる資産を最大化したい人は、VTIのみの運用はおすすめしません。

長期投資として、ETFの他に金やコモディディ、債券などに投資を行いながら、デイトレードによる短期投資を行うなど、資産を守りつつ最大化する戦略が大切です。

自分のリスク許容度を把握した上で、最適なポートフォリオのバランスを徐々に整えていきましょう。