【VOO徹底解説】米国ETFのバンガードS&P500は資産運用の超王道!

こんな人におすすめ記事

  1. VOOへの投資を考えている
  2. VTIとどちらがいいか検討している
  3. SBI・バンガード・S&P500との違いを知りたい
YoshinoriYoshinori

今回の記事では、投資の神様ウォーレン・バフェットがおすすめしている世界最大規模の投資運用会社バンガード社の代表的ETF(上場投資信託)のVOOについて解説します。

VOO(バンガード・S&P500 ETF)とは?

VOOは、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスにより算出されているアメリカの代表的な株価指数S&P500(Standard & Poor's 500 Stock Index)に連動した値動きになることを目指した米国ETFです。

S&P500(Standard & Poor's 500 Stock Index)とは?

S&P500は、ニューヨーク証券取引所、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄で構成されています。

構成銘柄の平均株価を指数化したダウ平均と異なり、構成銘柄の時価総額を指数化しているため、時価総額の高い大型株の割合が大きくなる特徴を持っています。

VOO とS&P500の特徴

S&P500を採用しているVOOの特徴は、時価総額の大きい大型株500銘柄で構成されていることです。

米国株式市場の約4,000銘柄に分散投資ができるVTIに比べて500銘柄と分散の割合は小さいものの、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしています。

代表的な指数の違い

指数NYダウS&P500CRSP USトータル・マーケット・インデックス
発表年

1896年

1957年

2011年

発表会社

ダウ・ジョーンズ社

S&P500ダウ・ジョーンズ・インデックス社

シカゴ大学証券価格調査センター

銘柄数

30社

500社

約4,000

算出方法

株価平均型株価指数

時価総額過重指数

時価総額過重指数

指数の特徴

米国経済を代表する30社銘柄で構成

米国の取引所(NY証券取引所、NSDAQなど)に上場している大乗的な500銘柄

米国株式市場の大型株から小型株までを網羅し、投資可能銘柄のほぼ100%をカバー

上異業種

情報技術、ヘルスケア、金融

情報技術、ヘルスケア、金融

情報技術、資本財、ヘルスケア

上位銘柄

アップル、ユナイテッド・ヘルス・グループ、ホーム・デポ

マイクロソフト、アップル、アマゾン

マイクロソフト、アップル、アマゾン

代表的なETF

DIA

VOO、IVV

VTI

S&P500は、時価総額順に組入比率が決まるため、大型株の中でもGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)を中心とした現在勢いのあるIT企業が上位を占めています。

一方、NYダウは株価の平均により算出されるため、一株当たりの価格の高い銘柄が組入比率上位を占めています。

そのため、組入企業の業績に株価が影響を受けやすいNYダウに比べて、時価総額順に組入比率を決めるS&P500は銘柄の多さも相まってNYダウより分散効果が高くなっています。

つまり、NYダウに比べて個別銘柄の影響を受けにくくなるという傾向を持っています。

VOOの構成銘柄(上位10社)

銘柄ティッカー構成比

アップル

AAPL

5.127%

マイクロソフト

MSFT

4.689%

アマゾン

AMZN

3.956%

フェイスブック

FB

1.936%

アルファベット クラスA

GOOGL

1.486%

アルファベット クラスC

GOOG

1.406%

バークシャー ハサウェイ

BRK.B

1.153%

ジョンソン&ジョンソン

JNJ

1.104%

プロクター&ギャンブル

PG

1.043%

NVIDIA

NVDA

1.137%

構成銘柄は、VTIなどと同じくGAFAMが中心です。

VOOのセクター別構成比

(2020年10月31日)
セクター割合

テクノロジー

27.5%

ヘルスケア

14.1%

一般消費財

11.6%

コミュニケーション・サービス

11.1%

金融

9.8%

資本財

8.4%

生活必需品

7.0%

公益

3.2%

素材

2.7%

不動産

2.6%

エネルギー

2.0%

勢いのある情報技術と安定したヘルスケアを中心に、バランスよくリスクが振り分けられたポートフォリオです。

自分でポートフォリを作るのが難しい人にETFはおすすめです。

VOOの株価の推移

VOOの株価の推移

リーマンショックやコロナショックも乗り越えて、さらに綺麗な右肩上がりをしている頼もしいETFです。

代表的なETFの配当利回りと経費比率、トータルリターンを比較

米国ETF配当利回り経費率トータルリターン(5年)

VOO

1.60%

0.03%

13.43%

VTI

1.47%

0.03%

13.45%

DIA

2.68%

0.16%

12.94%

QQQ

0.53%

0.20%

21.53%

VYM

3.21%

0.06%

8.62%

SPYD

3.32%

0.07%

6.05%

経費率の低さとトータルリターンの高さが、魅力的です。

直近5年のトータルリターンはVTIに劣っていますが、株価の推移は切り取る箇所により変動するので気にする必要はありません。

短期的に見れば、コロナによって注目を集めたQQQが圧倒的に高いトータルリターンを見せていますが、これから先もハイテク株が高いリターンを出すかどうかわからないことが良い例です。

短期投資のETFとしては魅力的なQQQですが、長期投資を考えている人は経費率と安定したトータルリターンの高さでVOOやVTIへの投資を考えることをおすすめします。

VOOとSBI・バンガード・S&P500の比較

比較ポイントVOOSBI・バンガード・S&P500
信託報酬

経費率0.03%

経費率0.0938%

取引単位

1口単位(=35,000円程度)

100円以上1円単位

取引価格

株式のように取引時間中変動する市場価格で取引

毎営業日1回算出される基準価額で取引

二重課税調整制度

対象外

対象

現地課税

分配金に対して10%の現地税がかかる。しかし、外国税額控除によって一部は後から取り戻すことが可能

自動的に控除される

課税繰延

分配金に対して、約20%の課税

ファンド内で再投資されるため、課税を繰延できる

つみたてNISA

×

ポイント還元

なし

SBI証券とTポイントを連携させることでポイント還元される

運用コストだけを見ると、SBI・バンガード・S&P500の方が、VOOに比べて3倍コストがかかります。

その一方、100円から取引できる手軽さと税金面での再投資性を考えた場合の効率は、SBI・バンガード・S&P500の方が有利と考えられます。

SBI・バンガード・S&P500とは?

2019年9月26日に世界最大級の投資運用会社のバンガード社とSBIグループがタッグを組んで設立された新しい投資信託です。

指標は、VOOと同じくS&P500に連動する投資成果を目指しています。

楽天証券の楽天VTIがVTIを投資対象としているのに対し、SBI・バンガード・S&P500はVOOを投資対象としています。

そのため、トータルリターンはVOOとほぼ変わりありません

SBI・バンガード・S&P500とどちらが儲かる?

ポイントは現地課税10%と分配金に対する課税繰延20%です。

結論から言うと、SBI・バンガード・S&P500の方がトータルリターンは高くなります。

その差は微々たるものなので、手間をかけたくない初心者はSBI・バンガード・S&P500に投資することをおすすめします。

しかし、投資信託には隠れコストが存在するため、経費率が0.0938%以上かかることもあります。

隠れコストが気になる人は、経費が明瞭なVOOに投資することをおすすめします。

おすすめの投資方法!

つみたてNISA枠を使ってSBI・バンガード・S&P500

小額から資産運用を始めたい人は、つみたてNISAでSBI・バンガード・S&P500に投資することをおすすめします。

年間40万円の上限がありますが、老後資金を作るための最適解の一つと言えます。

NISA枠を使いたい人はVOO

一方、120万円のNISA枠を使って税金を控除したい人はVOOに投資することをおすすめします。

隠れコストにより将来のリターンに影響があると考えられなくはないため、多少の手間をかけても明瞭なコスト計算をしたい人はNISA枠を使うことをおすすめします。

海外ETFの税金と為替リスクについて

米国株に限らず、外国株式や海外ETFに投資する際に注意が必要なのは、税金の二重課税です。

二重課税とは?

外国株式や海外ETFでは、投資信託と同じように売却益に対する約20.315%の税金の他に、分配金に対して現地の税金10%を納める必要があります。

※海外株式の売却益は、租税条約により原則課税はされません

この二重課税によって支払った税金を一部取り戻すためには、確定申告を行う必要があります。

長期間保有する場合や分配金の額が大きい投資家は、必ず確定申告を行うようにしましょう。

ちなみに、税制改正によって、SBI・バンガード・S&P500のような投資信託を経由して購入した海外株式は二重課税調整制度により自動的に控除されるようになりました。

VOOを1本投資するだけで大丈夫?

VOOは米国企業の大型株に分散投資できる投資の最適解ともいえる投資先です。

VTIなどと比べると分散効果は低いですが、500名柄だけでも米国市場の80%の純資産を占めているため、それほど気にする必要はありません。

そのため、VTIと同じくVOO一本に投資するだけでも良いように思いますが、暴落時のリスク回避やリターンによる資産を最大化したい人は、VOOだけでなく他のETFや個別株に短期投資するなど工夫をすることをおすすめします。

資産を最大化するには、金やコモディディ、短期投資によるポートフォリオを組むなど、資産を守りつつ最大化する戦略が必要です。