

自分の子供に金融知識を教えるために書いた、デヴィッド・ビアンキ著「13歳からの金融入門」を独自の解釈でサラッと解説をします。
こんな人におすすめ
- お金に関する基本的な知識を知りたい
- 専門的な本を読む気になれない
- 老後の備えをしたい
本書は、以下のようなことを教えてくれます。
- 子供にもお金の話をしよう
- 稼いだお金を貯蓄して、身の丈に合わない生活をしない
- 株や債券、預金の違いを知る
- 福利は人類史上最大の発明だ!
- 銀行預金は最強最弱!
- 節約と貯蓄ができたら、リスクオン!

これまでの金融本と違って優しそうな内容だね。

内容は濃いけど、文章もわかりやすく、165枚のイラストを用いるなど、金融初心者の大人も満足できる内容になっているぞ。
この本のポイントは、「お金に関する基本的なルールを知ろう!」というものです。
他の金融本のように、「早くから株式投資を始めないと損!証券口座を今すぐ開設しよう!」という内容ではありません。
では、解説を始めます。
子供にもお金の話をしよう
この本の目的は、株式取引をはじめることではありません。
目的は、「引退に備えること」です。

引退って定年退職のこと?

会社員であればそうだ。
引退とは、会社員が定年退職するといった他に、病気やケガで働けなくなったり、スポーツ選手や芸能人が現役を引退したり、お店を閉店したりなど、お金を稼げなくなった状態をさします。
どんなにお金を稼いでいる人でも、いつか必ず引退するときがきます。
日本には年金制度といった社会保障がありますが、1960年代には10人で一人の高齢者を支えていた年金制度も、少子高齢化の影響で2050年には7人の高齢者を10人の勤労者で支えるといった図になります。

家族以外にもう一人養うみたい感じ?

そうだ。しかも扶養に入らない家族だから大変だぞ。
今の現役世代が年金を受給するときは、平均所得の50%を支給するとされています。しかし、その受給時期は65歳より遅くなる可能性もあります。
そのため老後に必要な準備をするため、子供の頃から金融教育をしていく必要があります。

プログラミングより金融の授業をするべきだ。
稼いだお金を貯蓄して、身の丈に合わない生活をしない
引退に備えたお金を準備するためには、稼いだお金を貯蓄することです。

バビロンの大富豪も収入の10%を貯蓄しろって言ってたね。

そうだ。人間は稼いだお金や増えた収入をすべて使ってしまうから、銀行にお金が振り込まれたら、すぐ貯蓄用の口座に移すなど対策が必要だ。
1926年に出版されたお金の名著「バビロンの大富豪」について解説をします。この記事を読めば、お金持ちになるためのマインドを知り、そのために必要な一歩を踏み出せるようになります。
しかし、銀行にお金を預けているだけでは、準備は不十分です。
理由は、銀行預金ではお金が増えないからです。
株や債券、預金の違いを知る
問題です。

いきなり!?

テテッ♪
利回り5%の5年国債を100万円分購入した時、5年後の100万円はいくらになるでしょう?

・・・125万円?

・・・せいかーい。
国債とは債券のことで、国にお金を貸すことです。
債券には国債の他に社債があり、社債は会社にお金を貸すことです。
債券の特徴は、元本補償の金融商品ということで、5年国債を100万円分買った場合、5年後に必ず100万円が返ってきます。
しかも国債の場合は、貸し出す相手が国であるため、国の金融機関が破綻しない限り元本が補償されるという、防御力のもっとも高い金融商品です。

わたしたちは債券だけ買っていればいいってこと?

ブッブー。不正解です。
債券を購入することのデメリットは、単利と低い金利です。
まず、単利と複利の説明からします。
「複利」は、人類史上最大の発明だ!
国や企業にお金を貸すと利息がつきます。
単利とは、元本にだけ利息のつく利子のことです。
5%の利回りのある5年国債を100万円購入した場合、毎年5万円ずつ利息がつきます。
その結果、5年後には25万円の利息がつき、125万円が手元に返ってきます。

やっぱりお得じゃん!

・・・
複利とは、元本だけでなく利息にも利息がつく利子です。
上記と同じ条件の場合、1年目は100万円に対して5%の利息がつきますが、2年目は105万円に対して利息がつきます。
これを繰り返すと・・・5年後には140万2,250円が手元に返ってきます。

あれっ?複利・・・の方が断然お得じゃない?

そうだ。かの天才アインシュタイン博士は、「複利こそ人類史上最大の発明だ!」と言っている。
複利のパワーを使えば、持っている資産を予想以上に増やすことができます。
しかし債券は単利であるため、複利のパワーを使えません。

債券って単利だけなの!?複利のパワーを使って安全にお金を増やすことはできないの?

できるぞ。それが銀行預金だ。
銀行の預金は最強最弱!
日本人の多くは、稼いだお金を投資しないで銀行に預けています。
「お金を預ける=預金」するということは、銀行にお金を貸し付けている状態のことです。
銀行にお金を貸し付けているため、預金には利息が複利でつきます。

・・・でも、銀行に預けているお金って・・・全然増えないよ。

当たり前だ。現在の大手都市銀行の普通預金の金利は、0.001%だからな。
0.001%の金利で銀行に100万円預けた場合、10年後この100万円はいくらになるのか?
答えは、100万100円です。
・・・100円しか増えないの!?