
こんな人におすすめ記事
- デリバティブについて知りたい
- リスクヘッジ効果のある取引を知りたい
- 投資の幅を広げたい

ツクルカさん、デリバティブって知っていますか?

株や債券から派生した金融商品のことだね。

YouTubeとかの動画で説明を聞いたんですけど、いまいち理解できなくて・・・

たしかにデリバティブをイメージするのは難しいね。でも、デリバティブ取引を覚えると投資初心者でもリスクヘッジ効果のある賢い資産運用ができるようになるから、基本だけでも理解しておいた方がいいよ。
デリバティブとは?
市場で取引されている金融商品には、株式や債券、為替など様々な商品があります。
こうした原資産となる金融商品から派生した商品全般を「デリバティブ」といい、その取引の総称を「デリバティブ取引」といいます。
デリバティブの起源は、米や綿花などの農作物の収穫が豊作・不作に関わらず一定の価格で買い取ることを約束する先物取引から始まったとされています。
そのためデリバティブには、原資産となる金融商品の売買をあらかじめ約束する取引(先物取引)や将来売買する権利をあらかじめ売買する取引(オプション取引)などがあり、これらを組み合わせた多種多様な取引を行っています。

最近では株式や債券だけでなく、天候や信用力などを対象に取引(天候デリバティブやクレジットデリバティブ)する新しい金融商品も登場しているよ。
デリバティブのメリット・デメリット
本来、リスクを低下させる「リスクヘッジ」を目的として始まったデリバティブは、株式や債券などの金融商品を対象とした取引にも使われるようになりました。
通常、金融商品の利益は相場の値上がりによる得ることができますが、デリバティブ取引においては値下がり局面でも利益を得ることもできます。
つまり、通常の取引での下落や下落相場で市場に流動性がない状態でも、デリバティブ取引を行っておくことで、相場下落時の損失を抑え、市場の流動性を向上させることができます。
デリバティブ取引は大きな損失を回避できるメリットがある反面、取引が複雑で相場の急騰や下落に繋がる恐れもあります。
また、利益を得るためにレバレッジをかけることもできるため、少ない金額で大きなリターンを狙えますが、同時に大きなリスクを背負う場合もあります。

デリバティブ取引は、投資家のさまざまなニーズに応える形で、リスクヘッジから効率的な資産運用など多様な用途で幅広く活用されているよ。
デリバティブ取引の種類
デリバティブには、大きく分けて3つ種類があります。
- 先物取引
- オプション取引
- スワップ取引
先物取引
先物取引とは、株式や債券などの金融商品をあらかじめ決められた期日に購入する価格を決めておく取引のことです。
取引後に金融商品の市場価格が上がる、もしくは下がるなどの関係なく、約束した期日に決められた価格で必ず取引を行います。
そのため市場価格が下がれば「損」をして、上がれば「得」をすることになります。

先物取引では、株価などの価格変動リスクを回避できるよ。
オプション取引
オプション取引とは、あらかじめ決められた期日内で決めた価格を購入できる権利を購入する取引のことです。
先物取引は購入することを「契約(約束)」し、オプション取引では「権利」を購入します。
オプション取引の特徴には、購入した権利は行使せずに放棄することができるというものがあります。
例えば、市場価格が下落した場合、そのまま金融商品を購入すると損失が発生するため、オプション取引では購入した権利を放棄して、下落した価格の金融商品を購入します。
この場合の損失は、権利を購入した際のオプション代金(プレミアム価格)のみとなります。

こういったリスクを回避することを「リスクヘッジ」といい、予期できない変動をもたらす株価や為替相場では、デリバティブを利用してリスクに対応することも重要になっているんだ。
スワップ取引
個人投資家ではなく機関投資家や銀行などの金融機関が行うのが、スワップ取引です。
スワップ取引とは、金利や通貨などを等価のキャッシュフロー(お金の流れ)を交換する取引のことです
スワップ取引には、金利を対象とする「金利スワップ」と異なる通貨を対象とした「通貨スワップ」の2種類あります。
例えば、同じ借入期間で同じ金額を借り入れたAさんとBさんがいたとします。
Aさんは「固定金利」で、Bさんは「変動金利」で借り入れをしていました。
しかし、Aさんは今後金利は低下すると考えており、Bさんは金利は上昇すると考えていたとします。
お互いに違った金利の方が良かったと思った時に、お互いの金利を交換する。
これが「金利スワップ」です。

どちらの金利がよかったのかは、返済が終わらないとわかりませんね。

でも、お互いの希望は叶えることができる。それがスワップ取引だよ。
まとめ
金融商品から派生したデリバティブ取引についての基本的な解説をしました。
デリバティブ取引は、購入する期間や金額をあらかじめ決める「先物取引」、限られた期間内に購入する権利を持ちつつ、放棄することもできる「オプション取引」、機関投資家などプロが行う「スワップ取引」の3種類があります。
それぞれ簡単に説明をしましたが、実際の市場では先物取引とオプション取引を組み合わせた先物オプションやリスクを大きく取るレバレッジ取引などがあり、複雑でリスクの高い商品もあります。
無理のない範囲で少しずつデリバティブ取引に慣れ、賢く資産運用をする助けとしましょう。