
投資できる資産の大きい少ないに限らず、おすすめする投資手法は分散投資です。
分散投資をおすすめする理由は、前提として資産運用が老後の資金をつくるために行うことを目的としているからです。
働いたお金をすべて使ってしまうと、いくつになっても働き続けなければいけません。
当たり前の話ですが、ボクたちはいつまでも若いときのように働き続けることはできません。
そのため出来るだけ若いうちからお爺ちゃんやお婆ちゃんになったときのための資産づくりをはじめ、将来は年金+個人資産の取り崩しで余裕のある老後生活を送れるように準備しておく必要があります。
老後資産を形成する最適解の一つが、分散投資です。
この記事では、なぜ老後資産は分散投資で作った方が良いのかについて解説をします。

人生を台無しにしないためにも、老後の資産は低リスクで形成しよう!
なぜ迷う?集中投資と分散投資
資産運用は分散投資でおこなうべきという理由を説明する前に、なぜ多くの人が集中投資と分散投資で迷うのか?について認識を一致させておきます。
人が集中投資か分散投資で迷うには、2つ理由があります。
1つは、短期間で効率よくお金を増やしたいという「欲望」です。
そしてもう1つは、そもそも集中投資と分散投資の「本質を間違えて捉えている」です。
一つ一つ解説をしていきます。
人はリスクを取りたがる生き物
人には「欲望」があり、その欲望を叶えるためにボクたちは自分が思っている以上に「リスクをとろう」としてしまいがちです。
理由は、なんとなく上手くいきそうな気がするからです。
この「上手くいきそう」という感情に根拠はありません。
短期間で億り人になった人がすすめる株を買えば、「なんとなくお金が増えそうな気がする」ぐらいの感覚です。
それだけの理由で、ボクたちは大切なお金を失うリスクをとろうとしてしまいますが、他人のすすめる株を買うだけではお金は増えません。
億り人になった人にはたまたま才能があり、運が良かっただけです。
欲望に目が眩み、自分だけはなんとなく上手くいきそうという感覚に引きずられると、思わぬ落とし穴に落ちてお金をすべて失うか、色々試した結果の収益がトントンになるぐらいです。
投資の世界で、必要以上にリスクを取る行動に意味はありません。
インデックス運用は分散投資ではない
集中投資や分散投資というと、「個別株とS&P500などのETFや投資信託のどちらを買えばいいのだろう?」と迷うことだと思っている人がいますが、そうではありません。
極論を言えば、個別株もETFなどの投資信託も集中投資です。
理由は、株だけに投資をしているからです。
現在の株式市場はAIなどのアルゴリズムによって制御されているため、米国株が暴落すると世界中の株が連動して暴落する可能性を秘めています。
そのため、集中投資か分散投資で、個別株とETFの優位性を比べることに意味がありません。
同じ株なので、暴落するときは同じように暴落します。
個別株も米国や世界株ETFも暴落します。
分散投資とは、持っている資産を株だけではなく、債券やコモディティ、不動産、仮想通貨などに幅広く資産を分散させる行為です。
資産を分散することで、金融市場が暴落したときのマイナスを抑え、暴落したときにもお金を増やす機会を残しておくためです。
たとえば、世界株などのETFをインデックス運用することは分散投資の最適解の一つですが、世界株だけに投資しているだけで分散投資をしていることにはなりません。
分散投資は、暴落時にお金を守り、アセットアロケーションでお金を増やす機会を作ることです。
そうすることで自分の資産を最大化して、老後の資金を作ることができます。
個別株とETFのどっちがいい?
分散投資は、株以外にも幅広く運用することと解説をしました。
そのため、株は個別株でもETFでもどちらを買っても問題ありませんが、おすすめするのはETFです。
ETFの方が株価の値動きが少なく、安心して投資を続けられるからです。
資産運用を成功に導くためには、長い時間をかけて投資をし続ける必要があります。
そのため、自分が安心して投資を続けられる環境を用意することが必須です。
少しの暴落で狼狽売りをしてしまう可能性の高い個別株では、安心して投資をし続けることができません。
投資初心者であれば、自分のお金が秒単位で減ることに耐えられません。
ETFでお金を稼ぐには時間はかかりますが、資産運用はそもそも老後の資産を作るために行うものなので、時間がかかっても少しでも安心できる方の株を購入することをおすすめします。
投資期間も分散する
銘柄や商品だけでなく、投資期間も短期と長期で分けることをおすすめします。
2010年代からの10年間の株式市場は、米国株が大きく飛躍しましたが、今後も米国株一強の時代かというと、そういうわけではないからです。
アメリカの中央銀行FRBは、コロナショックによる市場の回復策として、大規模な金融緩和政策を打ち出しました。
そのため、ドルの価値が下がり、新興国株や日本株が暴騰をしました。
こうした機会を逃さないためには、株や金融資産を長期運用するだけでなく、短期投資でお金を稼ぐことも大切です。
この場合も個別株を買う必要はなく、QQQなどハイテク株に特化したETFや航空株を集めたETFに投資するなど、リスクを出来るだけ抑えた投資でお金を増やすことができます。
増やしたお金をアセットアロケーションをして、長期投資に回せば、老後資金を早く貯めることができるようになります。
まとめ
- 集中・分散投資では、分散投資がおすすめ
- 資産運用は老後の資産形成のために行う
- 自分の思っている以上に、人はリスクをとる
- インデックス運用は分散投資ではない
- 個別株とETFはETFがおすすめだが、究極はどちらでもいい
- 短期と長期で投資期間も分けて管理する